社会保険
Top 最終更新日 2018/07/17
社会保険請求のワンポイント 保険診療の変遷
保険医療機関・保険医指定 保険適用薬剤・材料
後発医薬品 保険点数今昔物語
カルテを消失したらどうなるか? 第三者行為における診療
高額療養費の現物給付 指導・監査
   

★ 医療保険制度

 私たちが生活していく中で疾病や負傷に会ったとき、自分の力だけではその医療費を負担することは難しい。そうしたときのために、多数の共同の力によって資金を拠出して医療費負担に備える。このシステムを医療保険制度という。
 我が国では、すべての国民が何らかの医療保険の対象となる国民皆保険の体制が昭和36年から実施されている。

1.保険の対象者

 医療保険制度の対象者は被保険者と被扶養者であるが、大きく分けると職域保険と地域保険になる。
職域保険の内健康保険では、一般的な事業の事業所に雇用される者は、一部の任意包括加入者を除き強制的に被保険者とされることになっている。5人未満の事業所等に雇用される者も、昭和59年8月の健康保険法改正によって、政令施行に基づいて強制加入適用がなされることになった。
 また、職域保険の対象以外の人、つまり一般市長村民を対象として保険給付を行う国民健康保険を、地域保険と呼んでいる。
 昭和36年以降我が国の国民は、いずれかの医療保険の適用を受けることができることになっており、これを国民皆保険と言っている。

2.保険事故

 医療保険においての保険事故とは、被保険者の疾病・負傷・死亡または分娩などが保険事故として定められている。ただし、職域における医療保険では、業務上による疾病・負傷などは除外されており、労災保険の対象となる。

3.保険給付

保険給付とは、被保険者に保険事故が発生した場合、保険者が一定の補償を行うことである。医療保険における保険給付には、法定給付と付加給付の区別があり、その具体的な方法として現物給付と現金給付に区別できる。

法定給付 法律によって、その種類内容が定められている。
疾病・負傷・死亡・分娩などに対して給付される。
付加給付 健康保険組合などが、その規約に基づいて法定給付に加えての一定の給付を行うもの。
現物給付 医療というサービスそのものを給付すること。
現金給付 医療費等の費用を現金にて給付すること。

★ 医療保険の種類

職域保険 健康保険法によるもの 全国健康保険 全国健康保険協会が保険者となって運営する
組合管掌健康保険 健康保険組合が保険者となって運営する
日雇特例被保険  
船員保険法によるもの 船員保険 業務上の疾病・負傷に対しても給付
各種共済組合法によるもの 共済保険 公務員や公共企業体員が対象
自衛官    
地域保険 国民健康保険法によるもの 市町村国保 市町村が運営
組合国保 同種事業者の組合が運営

★ 保険診療の方針
保険診療が、健康保険法に定める療養担当の責務を果たすためには、厚生大臣の定める診療方針に従い、また、厚生大臣の定める診療取り扱い手続きに従って、懇切丁寧にその診療を行うことになっている。この厚生大臣が定める診療方針等は一つの規定に基づいて行われるが、この規定を「保険医療機関及び保険医療養担当規則」と言う。

★ 混合診療
混合診療の禁止を直接うたった法令はない。にもかかわらず混合診療禁止のルールは存在する。
これは、1984年の健康保険法改正時に、特定療養制度が新設されて以後、特定療養費の反対解釈として、「混合診療の禁止」ルールが成り立つことがはっきりした。
混合診療禁止とは「初診から治療の終了に至る一連の診療行為の中に、保険のきく診療行為と保険のきかない診療を混在させてはならない。」と言うルール。
(参考) 混合診療
 歯科領域の差額徴収の廃止に伴い、保険給付外の材料等による歯冠修復及び欠損補綴は保険給付外の治療となるが、この取扱いについては、当該治療を患者が希望した場合に限り、歯冠修復にあっては歯冠形成(支台築造を含む)以降、欠損補綴にあっては補綴時
診断以降を保険給付外の扱いとするものである。なお、保険医療機関は、当該治療を行った場合は、社会保険に係る歯科診療録の「備考」欄に自費診療へ移行等がその旨判かるように記載を行う。(S51・7・29保文発352)(S51・11・26保険発115)

★ 自費診療
自費診療契約とは、健康保険法等公的医療保険を除く診療を指す。

矯正前の事前(便宜)抜歯
保険診療の給付に於いては、病名の存在が前提となる。つまり、矯正の前の抜歯であっても、当該歯牙に転位歯などの病名があり、抜歯の基準を満たしていれば保険の給付範囲となる。しかし、その病名が「C1」等、抜歯の基準に満たない場合や全く病名がないケースに於いて、当該抜歯を保険給付内とすることには問題が生じるケースもあるので注意が必要である。何よりも一番問題となるのは、ある医院では「保険で抜歯してもらえて」またある医院では「私費で抜歯」と言われ、患者間に歯科に対する不信感の発生源となっていることである。昨今、インプラントを前提とした処置の混合診療問題が話題となっているので、このケースも充分注意が必要だ。

★ 我が国の医療保険制度と医療提供体制
# 医療保障の枠組み: 国民皆保険体制
# 医療提供体制
(1) 自由開業制
(2) 患者の医療機関へのフリーアクセス
(3) 医療従事者の資格、医療施設の人員・構造基準、病院病床数の規制(医療計画)、 広告規制などの諸規制
# 保険給付の仕組み
(1) 特定療養費以外の混合診療(保健診療と自由診療の組合せ)を禁止
(2) 原則現物給付
# 医療機関への支払方式
(1) 原則出来高払制
(2) 全制度を通じて1本の診療報酬

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