歯科治療中の誤飲・誤嚥などの事故例
Top 最終更新日 2017/06/21

日本医療機能評価機構の調査によると、過去6年間で歯科治療中の飲み込み事例が30件確認されているとのこと。

【事例の一部】

(1) 歯科医師は、左下8のメタルコアの試適の際に口腔内にコアを落とした。胸部エックス線撮影で、右気管支に不透過像を認め、他院救命救急センターに搬送した。CТ撮影後、全身麻酔下で気管支内異物除去術が行われた。

(2) 歯科医師は、印象用のコーピングを外す際に誤って口腔内に落としてしまい、患者が誤飲してしまった。

(3) 左下3歯冠修復処置時、研修医1人で歯 科用エアータービン及び形成用バーにて 歯牙を切削中、タービンから形成用バー が外れ、舌後方口腔内へ落下した。目視にて口腔、咽頭にバーを確認できず、誤飲したと判断し上級医に報告した。確認のため胸部・腹部エックス線撮影をしたところ、胃内にバー様の不透過像を認めたため、消化器内科医師に相談し、内視鏡下でバーを摘出した。落下したバーに よる患者への影響はなかった。

(4) 歯科医師が口腔内を歯石除去中に、エア スケーラーのチップの先端が破損した。 破損確認後、直ちに患者の口腔内を確認 し、口頭での状況確認と洗口の指示をしたが、破損片は確認できなかった。スピッ トン内や周囲を捜索したが、破損片は発見されなかったため、院内の医科を受診 し、胸部・腹部エックス線撮影を行った。 撮影の結果、胃内に破損片が発見されたため、担当医同伴のもと他院を受診し、 内視鏡検査を行ったところ、経過観察の診断となった。

(5) 歯科医師は、患者が誤嚥しないよう座位で治療を行っていた。当日は、左上4番と 6番の金属冠を装着する予定であった。最終的な使用感の確認後、冠を外そうと口を開けてもらったところ、左下顎臼歯部舌側の口腔底に左上6番の冠が自然脱落した。 冠を把持するためピンセットを取ろうとし たところ、患者が喀出しようと突然起き上がって前傾姿勢になった。直後に、口腔内、咽頭部を直視下で確認したが金属冠はなかった。胸部エックス線撮影し、左主気管支に金属冠と認める不透過性像を確認した。

(6) 歯科医師は、感染根管治療中にカルテを 確認するため、口腔内より目を離し診察台より離れた。その際、患者が2、3度むせ込み、上体を起こして含嗽した。再度水平位にして口腔内を確認し、予定の診察 を終了した。患者は、夕方より腹痛を自 覚し近医を受診したが、様子観察となり 帰宅した。腹痛に対しては鎮痛剤を服用 したが改善なく、翌日(日曜日)昼間に 救急外来を受診した。CT上、胃壁部に 金属製の異物を認め、内視鏡下にて摘出 した。摘出した金属性の異物は、根管治 療の際に使用する器具で、むせた時に誤 飲したものだった。

# 誤飲・誤嚥した異物
・ 歯冠修復物など 15件
・ 医療用機器・材料 13件(バーなど)
・ 歯: 2件

# 患者の年齢
・ 60歳代: 4件
・ 70歳代: 9件
・ 80歳以上: 9件

# 実施した処置
・ 院内の診療科で対応(内視鏡で摘出): 9件
※ ということは、病院歯科での事故例が多いように見えるが、調査は全国の1000医療機関。この医療機関って、個人の歯科診療所などが主体になっているのだろうか?

# 機構が全国約1千の医療機関から2011年1月〜16年9月に集めた医療事故情報を分析
http://www.med-safe.jp/pdf/report_47.pdf

 

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