保険点数今昔物語
Top 最終更新日 2017/10/12

★ 100423: パノラマの点数の推移
かつて、パノラマの点数が600点台という時代があった。その後現在の300点台に切り下げられたわけだが、その際の「交換条件?」として、算定要件の緩和が言われた。しかし、現在でも、保険点数の中で「パノラマ」ほど点数算定の可否において都道府県毎の差異があるものはそう多くない。まぁ、ある程度都道府県毎に差があるのは致し方ないとしても、600点台の点数が300点台に一気に下げられる。ここには、医療費のコストと言った裏付けが全く無視されている現状がかいま見える。そもそも、保険点数は保険医療費の振り分けの単なる基準という視点もあるので、まぁある意味それもしょうがないという考えもあるにはあるのだが。

★ 090928: インレーの点数
現在、インレーの点数区分は「単純」と「複雑」の二種類だが、かつては「面数」によって点数が分かれていた。つまり、「MO」の複雑2面よりも、「OBL」の単純3面の方が点数が高かったということである。今考えるとどうして?っていうことですがね。複雑窩洞は作製時に模型を分割したりで手間がかかるんですがねぇ。とにかく、面数が多いインレーほど点数が高いわけですから、中には「MODBL」の5面インレーなども、、、、(^o^)

★ 090826: 齲蝕活動性試験
私は記憶にはありませんが、1980年頃「齲蝕活動性試験」が保険点数として認められたという話を聞いたことがあります。これ以上の詳しいことは分かりません。しかし、そういう話もあったということで。

★ 090721: デンタルサウンドチェッカー
「むか〜し、むかし、そのむかし」、「デンタルサウンドチェッカー」という点数があったとさ。たしか昭和60年あたりのことだったかなぁ?点数はたしか300点。この点数算定のために、当時20万円?近くしたデンタルサウンドチェッカーが飛ぶように売れたと記憶している。しかし、こういった点数はすぐに消えるのが常。たしか数年で消えてしまったと記憶している。その後「デンタルサウンドチェッカー」を購入した人たちはどうしたのだろうか?
多くは「戸棚にしまったっきり」となったようだ。点数があろうが無かろうが「必要な処置は行う」。逆に言えば、点数が無くなったからといって行わなくなった処置は「必要ないから行わない」ということなのだろう。そういった点数が何故に導入されたのか?はなはだ疑問である。 アンケート

★ 090710: レジン表面滑沢化法
かつて、「レジン表面滑沢化法」なんていう点数がありました。「HJK:10点」「義歯:25点」でしたから、昭和の頃でしょうか?うちには硬質レジンの重合器があったので、液だけ購入してセッセと塗っていました。とは言え、「こんなもの必要なの?」という思いも
あったせいか、ほんの数年で「義歯の点数に包括」されました。この「包括」、「レジン表面滑沢化法」だけでなく「遊離端加算」など色々ありますが、それにしては義歯の点数がUPされた実感は無い。そう思うのは私だけでしょうか?

★ 090512: 保険点数改定:前年比+12.7%!
今では考えられないが、これは昭和53年2月に保険点数改定のUP率である。
さすがに、私もまだ歯科医になっている前のことで、実情は判りません。
しかし、理由もなくこのように上昇するはずもなく、世の中全てがこのようなインフレだった時代故の数字では無いだろうか。
そして、昭和56年6月改定の+5.9%後、5%を越えるUPは姿を消している。
当時は社保本人の一部負担金が月800円(0円という時代もあったらしいが)という時代。それが1割、2割、3割と上昇すれば受診抑制が働くのは言うまでも無い。
約25年で医療費の上昇は数十%という単位なのだろうが、社保本人の一部負担金に限定すれば約6倍に値上がりしたということになるのかなぁ?
今は昔の物語か?

★ 081220: 保険点数の回顧録
大学を卒業して歯科医になったのは昭和。
当時、コアの点数はありませんでしたが、コアは入れていました。
今思えば、ほとんど鋳造コアでした。

その代わり、全症例GP(110点)を取れ、と指導の先生に教わりました。
今は無き、GPの点数ですねぇ。
即処はその当時から120点で変化無し。

# 昭和の点数改定歴

昭和63年6月 保険点数改訂 歯科1.0%UP(ただし薬価・材料引き下げ分を除く)
昭和61年4月 保険点数改訂 歯科1.5%UP(ただし薬価・材料引き下げ分を除く)
(1) 前装冠Br保険導入。
昭和60年3月 保険点数改訂 歯科2.5%UP(ただし薬価・材料引き下げ分を除く)
昭和59年9月 (1) 社保本人1割負担へ。
昭和59年3月 保険点数改訂 歯科1.1%UP(ただし薬価・材料引き下げ分を除く)
昭和58年2月 保険点数改訂 歯科0.02%UP(ただし薬価・材料引き下げ分を除く)
昭和56年6月 保険点数改訂 歯科5.9%UP(ただし薬価・材料引き下げ分を除く)
昭和53年2月 保険点数改訂 歯科12.7%UP(ただし薬価・材料引き下げ分を除く)

かつては10%以上のUPなんていうのもありましたねぇ。時代ですね。

 保険点数のコラム

★ 090422: 補管と加圧根充の謎
根管治療は歯科医の日常業務であり、その多くは「加圧根充」という方法がとられているだろう。しかし、加圧根充の点数を算定するためには「補綴物維持管理」の届出を出している必要がある。これは、よくよく考えると「どういう関係があるの?」ということになる。

考え方としては、「普通の根充では不十分だから、補綴物維持管理の要件に当たらない」ということなのだろうが、それならば「補管の算定条件に、失活歯においては加圧充填が必須」ということになるのだが。

しかし、こういったことは筋は通らなくても裏があるものだ。推測するに、補管の導入時に、算定率を上げるために歯科医ではだれでも行う加圧根充を人質にとったということなのだろう。ということは、導入時には導入条件(点数?)が悪く算定率がさほど高くないと踏んでいたのだろうか?そして、算定率を上げるために加圧根充の点数を人質にとった。しかし、実際の算定率は9割を超えた。これは誤算だったのだろうか?補管の導入された年の保険点数の伸びは大きかったと聞く。その後、裏では色々な話があったと聞くが、うわさの範疇なのでここで書くことは差し控えよう。

このように、補管と加圧根充の関係は無きが如しだが、結果的に増点となりその恩恵にあずかる歯科医師がほとんどであたったため、文句も出ず現在に至っているのではないだろうか?しかし、かつて150点であった単冠の補管の点数はいまや100点。今後においても点数がさがることがあっても上がることはないであろう。その時になって、あわててももはや遅い。導入時に、論理的に整合性が取れていないのに、「得をするからいいや」と見過ごしにしていたことは後にしっぺ返しを喰う大きな要因となるのに。

★ 090401: 金属裏装ポンティックの光と影
ポンティックの点数(技術料)は428点であるが、平成20年4月改正で金属裏装ポンティックについては所定点数に320点を加算することとなった。

この金属裏装ポンティックとは、
(1) 臼歯部におけるポンティック(ダミー)にレジン歯を使用することは認められないが、咬合面を金属で製作し、他の部分にレジン前装を施した場合に所定点数を算定する。(この通知は平成18年以前の改正から変わらない)
を指すのだろう。

金属裏装ポンティックは現在、前歯と小臼歯において認められており、主として審美性を目的としたものであろう。実際に作製する場合には元々、咬合面を金属で鋳造して他の部分にレジン歯をつける方法を良い、従って以前から金属裏装ポンティックの作製時にはレジン歯の人工歯料を算定できる取り決めとなっている。

平成20年4月の点数改正で、どういう理由かはわからないが金属裏装ポンティックの作製において320点の加算点数が設定されたようだ。そもそも保険点数における金パラの使用想定量は、比較可能な小臼歯部のポンティックにおいて、鋳造ポンティックは約3.047gであるのに対して金属裏装ポンティックは約2.076gと約0.97g(平成21年3月時点で約68点)少ない。

従って点数的に言えば、平成20年3月以前は鋳造ポンティックの点数の方が優位であったが、現在では320点の加算点数により圧倒的に金属裏装ポンティックの方が優位となっている。従って、点数改正伝達講習会でも指導されたように臼歯部のポンティックは金属裏装ポンティックで請求している歯科医院が多いだろう。

しかし、例えばぃ毅境Г裡贈鬚鮑鄒修垢訃豺隋通常5と6のポンティックの設計は同じとなるのが通例だと思う。しかし、点数算定においては5は金属裏装ポンティック、6は鋳造ポンティックという奇妙な状態になってしまう。

さて、話しは変わるが平成20年4月の点数改正で、点数本体は+0.42%(金パラは614円から702円へ。その後10月改正で808円へ)と決定した。

# 平成20年4〜9月の歯科医療費は1兆2483億円、平成19年4〜9月の歯科医療費は1兆2073億円なので前年同期比+3.39%。

しかし、上記のデータを見てもわかるように、4〜9月の点数は前年同期比+3.39%と+0.42%を大きく上回っている。これに対しては報道でも取り上げられているが、それに対して、歯科医師会などでは「この上昇要因には金パラの価格改定の影響が大きい」と分析しているようだが、はたしてそうなのか?

DscyOfficeのモデル計算では、平成13年〜20年の8年間の保険診療報酬に占める金パラの材料価格の平均は3.37%である。ちなみにこの数字は、平成16年の2.28%から平成13年の4.65%まで大きな幅が見られる。これは金パラの保険点数が低い年は低くなるのに加えて、年度によってブリッジなどの治療頻度が異なることにも影響していると思われるが、治療頻度の数字は持ち合わせていないのでこのまま使用する。このように、保険診療における金パラの材料費割合は約3.37%であることを前提として、平成20年4月の保険点数改定における金パラの改定をみると「614円→702円」と+14.3%の改定であるから、保険医療総額に与える影響は+0.48%となる。

なお、これまたDscyOfficeの試算であるが、金属裏装ポンテック導入の影響は+0.6%くらいと思われる。

しかし、何が原因であろうが、+3.39%は事実であるし、それを引き下げようとする動きが端々に見受けられる。1月に出た疑義解釈7の歯管の算定基準などもそうだろう。昨年4月の時点では歯管の算定は「FD」以外のほとんどの症例で算定可能であったが、疑義解釈7ではPDだけの病名では算定不可となった。

世の中の動きには必ず揺り戻しがつきものである。
平成22年4月の点数改正ではどのような揺り戻しがあるか?
(1) 歯管の算定基準と紙だし
(2) 歯周基本治療の再算定
(3) 金属裏装ポンティック
(4) 補管
(5) その他
とにかく、現時点で前年同期比で伸びすぎていると言われている歯科診療費の圧縮の動きが懸念される。
ちなみに私見であるが、(3)が一番対処しやすい項目ではないかと思う。今回加算点数が設定されたのにはそれなりの理由があるのだろうから、来年の改正で改正点数の廃止は考えられないが、通知に「点数の算定基準」の一文を加えれば済むだけなのだから。

ちなみに、この加算点数の影響は約1%に匹敵するのではないかと思う > 単なる概算だが。

金属裏装ポンティックがこのまま光として輝き続けるのか?それとも影となるのか???

★ 090220: 診療情報提供料の算定基準
診療情報の提供は今や重要な歯科医師の業務の一つとなっている。

診療情報の提供には以下のような種類がある。
(1) 病院の口腔外科や、内科等の他科に対する情報提供。
(2) 通院している患者の転居(転勤、進学、就職など?)などにより、自院で継続して診療を行うことが不可能な場合の後医に対する情報提供。
(3) 旅行先などで外傷など緊急的に現地の歯科医院に受診する場合に、その歯科医院から地元の医療機関に対する情報提供。
(4) 休日当番医における、情報提供。

当院の経験によると、(1)の割合が多く、次に(2)、そして(3)は数年に1回あるかないかのことだ。ちなみに、(2)はこの先3月頃には毎年経験している。また(4)は1年に1回当番にあたるくらいのものだが、診療時には全員に出すのが通例だ。

これらの場合、(1)においてはほぼ100%、(3)の場合にはその多くが、情報提供先の医療機関の名称がわかっている。しかし(2)の場合にはそのほとんどが、そして(4)の場合も多くがどこの医療機関に受診するか不明朗の場合がある。こういったケースにおいては「主治医御中(御机下)」などと、情報提供先を特定しないで文書を発行する場合がある。

しかし、この度疑義解釈6で以下のような解釈が出された。
平成20年12月26日 厚生労働省疑義解釈 その6
【医学管理等】
(問3) B009診療情報提供料(機砲砲弔い董⊂匆霎茲琉緡典ヾ悗鯑団蠅擦困法⊃芭転況を示す文書を患者に交付しただけの場合には算定できるのか。
(答) 算定できない。

つまり、(2)や(4)の多くの場合には文書を発行しても診療情報提供料の算定ができなくなるのだろうか?

★ 090201: 歯管の文書の発行について
# (4) 「注2」に規定する2回目以降の継続管理計画書(当該管理計画書の様式は、「別紙様式2」又はこれに準じた様式とする。)の提供時期については、管理計画の内容に変更があったとき、検査により疾患の症状が一時的に安定したと判断されるとき(歯周病においては、歯周組織検査により一時的に病状が安定されたと判断されるとき等)、一連の補綴治療が終了したときその他療養上必要な時期に交付するものとするが、当該管理計画に変更がない場合はこの限りでない。ただし、この場合においても、前回の管理計画書の交付日から起算して3月を超える日までに1回以上交付すること。

 この場合、前回の文書発行時から3ヶ月以上経過した場合にはどうなるかというとその場合には歯管の算定は不可となり「再診料」のみの算定となる。ただ、治療計画を立てて「歯周病安定期治療」を行っている場合のみ、3ヶ月以上経過した場合にも歯管の算定は可能なようだ。

では、前回文書発行より3ヶ月経過してしまう例とはどの様な場合か?

# ケース1
5/15:歯管算定(文書発行) > 6/15:歯管算定(文書非発行) > 07/15:歯管算定(文書非発行) > 08/15:患者の体調不良で未来院(歯管算定で文書発行予定だった)> 8/20:来院時の歯管は?

# ケース2
5/15:右上6番抜歯(歯管算定・文書発行)> 抜歯窩の治癒を待って > 09/01:右上(7)6(5)のブリッジの形成の歯管は?

# ケース3
5/15:初診(歯管算定・文書発行)
7/15:終了
8/20:再来(再診・歯管の算定は可?)
 このような場合には3ヶ月を越えてしまうケースがあり得るので算定と文書の発行には注意しなければならない。

* しかし: 以下私見
今回の改正で、「欠損」を含めて口腔内の大抵の疾患については、「歯管」「義管」により必要な症例について、「継続的な口腔管理」が可能となっていますが、上記のように決して希でない「抜歯後の治癒」「Pの継続管理」において、ケースによっては「歯管」の算定ができない状態となっています。つまり、「継続的管理」という主旨において、「3月を超える日までに1回以上交付すること」という文言が、『初診料:(8) (7)にかかわらず、欠損補綴を前提とした抜歯で抜歯後印象採得まで1月以上経過した場合、歯周疾患等の慢性疾患である場合等であって、明らかに同一の疾病又は負傷であると推定される場合の診療、区分番号B000−4に掲げる歯科疾患管理料又はC001−2に掲げる後期高齢者在宅療養口腔機能管理料を算定した場合等、管理計画に基づき継続的に診療を行っている場合の診療は、初診として取り扱わない。」という文言とバッティングしているということになります。法律(規則)の構成においては「主旨」「文言」「運用」の三要素がありますが、このように主旨に合わない文言が存在する場合には「運用」で対処することが必要です。従って、「運用として、「3月」という解釈を「暦月の3月」ではなく「診療月の3月(レセプト3枚)」とするなどの柔軟的な対応が必要と思われますがいかがでしょうか?

★ 080702: 青本の厚さ

昭和56年6月版:466頁
昭和57年4月版:487頁
昭和59年3月版:543頁
昭和60年3月版:560頁
昭和61年4月版:579頁
平成02年4月版:766頁
平成04年4月版:715頁
平成06年4月版:958頁
平成08年4月版:1004頁
平成10年4月版:1038頁
平成14年4月版:811頁
平成16年4月版:859頁
平成18年4月版:851頁
平成20年4月版:951頁
平成22年4月版:1151頁(追加)
平成24年4月版:1055頁
平成26年4月版:1019頁
平成28年4月版:1144頁
このように、もともと青本は厚いもの、持ってはいるがまともに青本を読んだことが無い人も多いでしょう。私も、点数改正時に配布される白本は読むものの、青本をまともに読んだことは無く、たまに調べる程度である。それにしても、今回の改正で100頁も厚みが増えたが、何が増えたんだろう?調べる気も起こらないが。

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