カルテについて
Top 最終更新日 2017/06/21

★ 診療録(カルテ)の記載の根拠

日常、診療に際して作成している診療録(カルテ)ですが、その根拠となる法体系は以下のようになっています。
 
・ カルテの記載義務
(1) 歯科医師法第二十三条(最上位法)
(2) 歯科医師法施行規則第二十二条(記載内容の規定)
(3) 保険医療養担当規則第二十二条(保険カルテの様式)
・ つまり、診療録の記載は歯科医師法で定められ、その記載内容は歯科医師法施行規則で定められ、保険の様式は保険医療養担当規則で定められているという流れでしょう。従って、私費のカルテは記載内容は歯科医師法施行規則で定められているが、様式は任意。
 
【健康保険法】
診療録に関する条文無し
 
【保険医療養担当規則】
第二十二条  保険医は、患者の診療を行つた場合には、遅滞なく、様式第一号又はこれに準ずる様式の診療録に、当該診療に関し必要な事項を記載しなければならない。
  
【歯科医師法】
第二十三条 歯科医師は、診療をしたときは、遅滞なく診療に関する事項を診療録に記載しなければならない。
  
【歯科医師法施行令】
診療録に関する条文無し
  
【歯科医師法施行規則】
第二十二条  診療録の記載事項は、左の通りである。
一  診療を受けた者の住所、氏名、性別及び年齢
二  病名及び主要症状
三  治療方法(処法及び処置)
四  診療の年月日
 
ところでカルテは遅滞なく記載しなければならないとされていますが、この遅滞なくとはどの程度のものなのか?明文化されているかはわかりませんが、厚生労働省では24時間を一つの目安にしていると聞いたことがあります。【参考
実際診療していると、午前中の患者の分を纏めて記載するなんていうのは至難の業で、常識的なところでは患者の診療が終わる都度に記載することが普通でしょう。
ただし、手書きのカルテの場合にはそれでいいですが、カルテコンでカルテを作成しているケースでは、カルテコンに入力した時点でカルテの作成が終わる訳ではなく、紙に印刷した時点でカルテの作成が完了となります。従って、入力は患者の診療終了の時点で、印刷は24時間以内でというのが本来の姿です。
しかし、このカルテの印字。その都度の印字の手間は結構大変で、中には1カ月纏めてなんていう人もいるでしょうが、あまり好ましく無い行為なんでしょう。
現在、どのカルテコンにそういったシステムがあるかは把握していませんが、紙への印字のタイムスタンプを同時に印字するといった対応が必要でしょう。
ただ、特定のカルテコンだけそういったシステムを導入すると、そのカルテコン売れなくなるんだろうなぁ。まぁ余談ですが。


 

★ 090825: 1号カルテの2面及び2号カルテの記入について

@ 月日 欄: 来院時の初診年月日、再診年月日を記入する。
A 療法 処置 欄: 初診又は再診の印をおすこと。
※ また保険証を確認したときにはここにその旨記入しておくといいだろう。
B 診療点数 一部負担金 の記入: 当日の診療が終わったなら、点数の合計と一部負担金の入金、未収、前回未収の入金などの事項を必要に応じて記載しておくといい。
C 月末集計: 当月の診療が終わった患者については、所定の方法により月間の診療点数の集計を行い、月締めとして「○月分○日○点」を記載し、その月のレセプトの請求点数と違いはないかをチェックしておく。

★ 090821: 1号カルテの表面の記入について

@ 患者番号
保険診療の規則上、「患者番号」の記載などの指定は無い。しかし、ほとんどの歯科医院ではレセコンの入力の都合上、いわゆる「患者番号」が設定されているケースが多いと思われる。従って、1号カルテの表面の空白部には「患者番号」や「(母)(身)(乳)」などの記載をしているケースが多いでしょう。

A 公費負担者番号
老人保健証番号など必要が有る場合には記入すること。

B 保険者番号
必ず記入すること。

C 記号 番号
必ず記入すること。

D 有効期限
有効期限が有る場合については記入すること。

E 氏  名
必ず記入すること。
# 読みの難しい患者については、フリガナをつけておいたほうがいいでしょうねぇ。カルテコンでフリガナも打ち出されていればOKですが。

F 生年月日
必ず記入すること。

G 住  所
必ず記入すること。

H 電話番号
必ず記入すること。

I 職  業
記入不要

J 被保険者との続柄
必ず記入すること。

K 被保険者氏名
必ず記入すること。

L 資格取得日
必ず記入すること。(被保険者と被扶養者で異なるので注意)

M 事業所
事業所の名称のみ記入。

N 保険者
なるべく記入のこと。

O 開始欄
初診年月日(診療開始日)を記入すること。
同一のカルテで2度3度初診をおこす場合には、その都度初診年月日を記入し、前回来院時との間に青線を引くこと。

P 病名欄

Q カルテ上部空欄
身 老 母 乳 の記入
その他必要な事項の記入。(負担割り等)

R 主訴欄

S 歯型図欄
本には必要に応じて記入すると記載されている。
ただし、社保研修会等では根拠もなく「必ず記入すること」と指導されている。しかし、不必要な歯型欄の記入は過誤の原因になりやすく注意が必要である。
 以下に問題点を記す
# 歯型欄の記載は「歯科医師が記入する。ただし、アシスタントが記載することは黙認されている。」と疑義解釈にあるが、大蔵省の金融政策の諸問題にも有るように、行政庁が黙認していることが後に社会問題化する事も多く、不必要な問題を抱える必要はない。また、歯型図以外に口腔内所見が記載されていれば必要に足る。
# 全顎的に治療方針をたてる時はともかく、1歯のC処置で事足りる患者の全顎所見まで書く必要は無い。
# ある人に言わせると、全顎の所見を記載していると後に飛行機事故や焼死体等の個人識別のために役に立つと言う理論もあるが。元々診療目的以外に利用してはならないはずの保険診療のデータを他の目的のために整備することは必要範囲外である。主治医の必要に応じて記載すれば良いと思われます。それが結果的に他の目的のために利用できればそれはそれで結構なことと思われます。もし個人識別のデータを整備することが社会的ニーズであり、保険診療において必要なものであるとすれば初診時に全顎のX-Rayを制限無く認めるべきです。
# 最初にカルテを作成した時に歯型図を記載しても、同じカルテで2度3度初診を起こした場合最初の所見と異なる場合が有ります。特に他院での治療をはさんだ場合には過誤の原因になりやすく、といって毎回全顎の所見を記載することは大変です。
以上の理由から「歯型図欄」は「主治医の必要に応じて記載する」ことで問題ないと思われます。
# とはいうものの、歯型図は現症の記録として重要な意味を持つ。従って”必要に応じて”記載した方が良いのは言うまでも無い。しかしなぁ、カルテの歯型図は小さくて書きにくいよなぁ。いっそ、1号カルテの2面に「歯型図」や「所見の記載」なども含めて書きやすいようにあらたに構成してもいいんじゃないかと思うんだけどねぇ。時代と共にカルテの様式もかわって行くのが適当かと。

★ カルテの記載の基本

カルテとレセプトは密接に関係するので「カルテ記載の基本」も掲載しておきましょう。

1 診療録(通称:カルテ)の様式
保健医療機関及び保健医療養担当規則第22条に定められた様式を用いる。
参考) 第22条 保険医は、患者の診療を行った場合には、遅滞なく、様式第1号又はこれに準ずる様式の診療録に、当該診療に関して必要な事項を記載しなければならない。
※ ここでいう「遅滞なく」とはどのくらいを指すのか?正式な通知は無いものの、伝聞によると「24時間以内」というのが一つの目安のようである。

2 診療録の大きさ
レイアウト(様式)は決まっておりますが、大きさは決まっていません。以前はB5版が主流でしたが、行政文書のA版化をふまえA4版が望ましいとされています。ちなみに処方箋はA5版と決まっています。

3 診療録の種類
具体的には、患者情報を記載することを中心とした「1号用紙」と、処置などを記載することを中心とした「2号用紙」があります。

4 診療録は何で書くか?
カルテの記載は、原則として「黒又は青のボールペン」とされており、修正するときも「修正液は使わず、=で消す」ことになっており、また記載に於いては行間を空けないようにと指導されています。
※ これからすると、図式などを書く場合に見やすいように赤ペンでなどということも禁じられているという解釈になってしましますがそれはどうでしょうねぇ?
たとえば、うちではカルテを書く際には重要事項を赤鉛筆で○囲みしたりといった方法をとっています。カルテは、長年来院していると厚くなって、必要な記載事項がどこに書いてあるのか探すのが困難になり、利便性のためにそのくらいは良いのではと思っていますが。

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