第三者行為における診療
Top 最終更新日 2018/04/14

 第三者行為における診療の代表としては「交通事故」や「人に殴られた」などがあります。こういった第三者行為における傷害の治療は保険外という認識が強いですが保険診療でも行えます。ただし「被保険者(患者さん)」は保険者に「第三者行為による傷病届」を出す必要があり、また医療機関においてはレセプトの請求時に摘要欄に「第三者行為」であるむねの記載が必要です。

■ 第三者行為による保険給付について

(昭和三〇年七月四日)
(呉社保第七〇四号)
(厚生省厚生年金保険課長あて呉社会保険出張所長照会)
次の点に疑義がありますので、御回答下さい。
1 第三者の行為によつて生じた事故に対する保険給付は、損害賠償の価額の限度で給付しないこととなつているが、年金等の場合将来に対するすべての給付額をその価額の限度で不支給とすべきや。(例えば、第三者行為によつて損害賠償五〇万円を受けた遺族に対して、法律の規定によつてその五〇万円を限度として将来の遺族年金(支分権)を不支給としたが、年金保険における年金給付の目的からして、将来の経済に応じた一定額の年金を支給するとの意途から考えると、現在一時に受けた賠償額に代えて将来の年金額を不支給とすることの間に不合理があるようにも考えられ若干疑義が存する。但し、年金額は将来の経済の変動に応じてこれに適合するよう考慮されるから、その時はその時で賠償額と改訂された年金額に応じて支給すればよいとも考えられるので一応妥当と考えた。)
(昭和三一年四月一六日 保文発第二、七九三号)
(呉社会保険出張所長あて 厚生省厚生年金課長回答)
客年七月四日呉社保第七〇四号をもつて照会のあつた標記の件について左記のとおり回答する。

事故が第三者の行為によつて生じた場合に当該第三者から損害賠償を受けたときは、その損害賠償による受給権者の生活保障と厚生年金保険法による生活保障との重複を避けるのが当然であるという趣旨から、法第四十条第二項規定が設けられたものである。したがつて、損害賠償額のうち、生活保障以外の部分(たとえば葬祭費、精神的慰謝料等)については給付の制限を行うことは妥当でないので、当該損害賠償の内容を充分検討のうえ、法第四十条第二項の規定を適用されたい。

■ 第三者行為に伴う損害賠償金等に係る療養に要した費用の取扱いについて

(昭和四〇年一〇月一一日)
(保険発第一二四号)
(各都道府県民生部(局)長あて厚生省保険局国民健康保険課長通知)
国民健康保険法(以下「法」という。)六四条第一項の規定による第三者行為に伴う損害賠償金、法第六五条の規定による不正利得に伴う徴収金及び過誤払い療養の給付等不当利得に伴う返還金がある場合において、これらの賠償金等の経理を適正に行なうとともに、療養給付費負担金(療養給付費補助金を含む。以下同じ。)の算定の際における取扱いを明確にするため、今般、これらの賠償金等については、別紙のとおり取り扱うこととしたので、次の事項に留意のうえ、貴管下保険者の指導に遺憾のないよう配意されたい。
1 療養給付費負担金の算定に当つては、昭和四〇年度分の実績報告から次のように取り扱うこと。
(1) 現年度において支出した療養給付費及び療養費(以下「療養給付費」という。)について、法第六四条第一項の規定による第三者行為に伴う損害賠償金又は法第六五条の規定による不正利得に伴う徴収金があるときは、これらの賠償金又は徴収金が当該年度内に収納されると否とにかかわりなく、当該調定した賠償金又は徴収金の額に係る療養に要した費用は、すべて当該年度の療養給付費負担金の対象費用とならないこと。
(2) 現年度において支出した療養給付費について、過誤払い療養の給付等不当利得に伴う返還金があるときは、当該返還金をすべて年度内において療養給付費に戻入した場合は、当該療養の給付等がはじめから行なわれなかつたものとなるので問題ないが、戻入未済がある場合においては、当該戻入未済額に係る療養に要した費用は、当該年度の療養給付費負担金の対象とならないこと。
(3) 過年度において支出した療養給付費について、法第六四条第一項の規定による第三者行為に伴う損害賠償金、法第六五条の規定による不正利得に伴う徴収金又は過誤払いの療養の給付等不当利得に伴う返還金があるときは、当該賠償金、徴収金又は返還金を調定した日の属する年度において、当該調定した賠償金、徴収金又は返還金の額に係る療養に要した費用についての療養給付費負担金の額を当該年度において交付すべき療養給付費負担金の総額から控除するものとすること。
なお、(2)の場合において、、年度内に戻入未済があるときは、当該戻入未済額を翌年度において返納金として収入調定することとなるが、この調定額に係る療養に要した費用は、その調定をした年度において改めて調整することを要しないこと。
(4) (3)の場合において、賠償金、徴収金又は返還金を調定した年度とこれら賠償金等に係る療養の給付又は療養費の支給についての療養が行なわれた年度とにおいて、療養給付費負担金の負担率が異るときは、これら賠償金等に係る療養の給付又は療養費の支給についての療養が行なわれた年度の負担率により控除すべき療養給付負担金の額を算定するものであること。
2 各保険者において、これらの取扱いを的確に行なわせるため、法第六四条第一項の規定による第三者行為に伴う損害賠償金、法第六五条の規定による不正利得に伴う徴収金及び過誤払い療養の給付等不当利得に伴う返還金に係る療養に要した費用について、昭和四〇年度の年度当初分より別紙様式による「賠償金等に係る療養に要する費用額等整理簿」を作成させておき、療養給付費負担金の実績報告の際、必要な突合を行なうこととすること。
3 この取扱いに伴い必要な国民健康保険事業状況報告書(事業月報・事業年報)の様式及び記載要領の改正については、おつて保険局長から通知されるものであること。

■ 第三者行為により生じた保険事故の取扱いについて

(昭和五四年四月二日)
(保険発第二四号・庁保険発第六号)
(各都道府県民生主管部(局)保険課(部)長あて厚生省保険局保険・社会保険庁医療保険部健康保険・船員保険課長連名通知)
健康保険法第六十七条、日雇労働者健康保険法第二十五条及び船員保険法第二十五条に規定する第三者行為により生じた保険事故につき、被害者たる被保険者又は被扶養者(被保険者又は被扶養者であつた者を含む。以下、単に「被害者」という。)にも過失が認められる場合については、昭和四十九年一月二十八日付け保険発第一〇号・庁保険発第一号通知によるほか左記による取扱いとし、求償事務の更に円滑な実施を図ることとしたので通知する。
なお、健康保険組合についても同様の取扱いであるので、その指導方をお願いする。

1 第三者行為により生じた保険事故につき保険者が代位取得する損害賠償請求権は、被害者の過失の有無により影響を受けるものではないが、求償額については、被害者にも明らかに過失があると認められるときは、代位取得した損害賠償請求額を被害者の過失割合に応じて減額し算定して差し支えないこと。
2 過失割合の認定に当たつては、両当事者の主張の内容、事故発生時の状況等を総合的に勘案し、保険者において妥当な過失割合を求めること。
なお、自動車事故については、道路の状況、道路標識、信号機、運転者の動作等が過失割合の判定の要素となり、その割合を容易に認定することが困難であると思われるので、個々の事例につき、判例等に示された判断を参考とすること。
3 過失割合は当事者の利害に影響を及ぼすものであるから、過失割合の認定の経緯等を明らかにする書類を整備しておくこと。
4 本通知による取扱いは、昭和五十四年四月一日以後において生じた保険事故について適用すること。

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