決算・申告
Top 最終更新日 2017/06/21

我々が日々記帳することの目的の第一は所得税の税務申告の為と言っても良いであろう。

 まず第一に、我々が歯科医院を設立したときには以下のような届出が必要となる。

● 事業所の開業届・源泉所得税並びに消費税等に関する各種届出等(所管の税務署)

所得税関係
個人事業の開廃業等届出書 事業の開廃業や事務所等の移転があった場合 事業開始等の日から1か月以内
所得税の青色申告承認申請書 確定申告書等を青色の申告書によって提出する場合 承認を受けようとする年の3月15日まで(その年の1月16日以後の開業した場合には、開業の日から2か月以内)
青色事業専従者給与に関する届出書 専従者給与を支給する場合 青色事業専従者給与額を必要経費に算入しようとする年の3月15日まで(その年の1月16日以後開業した場合や新たに事業専従者を有することとなった場合には、その日から2か月以内)
源泉所得税関係
源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書 給与の支給人員が常時10人未満である給与等の支払者が、給与等から源泉徴収した所得税の納期について年2回にまとめて納付するという特例の適用を受ける場合 随時(申請書を提出した月の翌月末までに通知がなければ、申請の翌々月の納付分からこの特例が適用されます。)
消費税関係
消費税課税事業者選択届出書 免税事業者が課税事業者になることを選択する場合 選択しようとする課税期間が事業を開始した日の属する課税期間等である場合には、その適用を受けようとする課税期間中
消費税課税期間特例選択届出書 課税期間の短縮を選択する場合 選択しようとする課税期間が事業を開始した日の属する課税期間等である場合には、その適用を受けようとする課税期間中 
消費税簡易課税制度選択届出書 簡易課税制度を選択する場合 選択しようとする課税期間が事業を開始した日の属する課税期間等である場合には、その適用を受けようとする課税期間中 

● 青色申告制度

青色申告制度の概要
 我が国の所得税は、納税者が自ら税法に従って所得と税額を正しく計算し納税するという申告納税制度を採っている。
 1年間に生じた所得を正しく計算し申告するためには、収入金額や必要経費に関する日々の取引の状況を記帳し、また、取引に伴い作成したり受け取ったりした書類を保存しておく必要がる。
 ここで、一般の記帳より水準の高い記帳をし、その帳簿に基づいて正しい申告をする人については、所得の計算などについて有利な取扱いが受けられる制度がありそれを、青色申告と言う。

この様に一般的に青色申告(その他に白色申告がある)を利用して行う申告納税を、一般に「確定申告」と言います。

■ 青色申告特別控除

 青色申告特別控除とは、青色申告の普及と適正な記帳を確立し申告納税制度の実効性をあげ、事業経営の健全化を推進することを目的として設けられたものであり、本来は正規の帳簿(複式簿記等)により確定申告書に損益計算書に加えて貸借対照表を添えて提出している場合に認めるとされている。しかし、今までは経過措置として簡易式帳簿を使用している例においても貸借対照表を添えた場合には認められていた。しかし、その経過措置が廃止され平成17年の決算分(平成18年3月申告分)からは、正規の帳簿によらない場合には10万円しか認められなくなる。

 
平成 5年〜 9年 35万円 35万円 10万円
平成10年〜11年 45万円 45万円 10万円
平成12年〜16年 55万円 45万円 10万円
平成17年〜 65万円 廃止 10万円
       
       

A: 正規の簿記の原則に従い記録している者
B: 簡易な簿記の方法により記録している者(平成5年〜平成16年までの経過措置)
C: その他

■ 所得控除

 所得控除とは決算書で計算された所得額から納税額を計算する際に控除される金額を言う。
 その代表的なものは
(1) 人的控除: 基礎控除、配偶者控除、扶養控除、障害者控除 等
(2) 保険料控除: 社会保険料控除(年金・医療保険・小規模共済 等)、保険料控除(生命保険・損害保険)
(3) その他: 雑損控除、配当控除、寄付金控除 医療費控除 等
これらの支払は、ちゃんと領収書を準備して余すところ無く控除する必要がある。納税は適切に行う必要があるが、余分に支払う必要は無いのであるから。

● 確定申告

確定申告の概要

 所得税の課税対象は、毎年1月1日から12月31日までの1年間に生じたすべての所得です。その年中の所得について確定した金額を計算し、その所得金額に対する税額を算出して翌年の2月16日から3月15日までの間に申告することになっています。この申告を確定申告といいます

まず確定申告をする場合には所得を把握しなければならないが、所得には以下のような種類がある。

(1) 利子所得
預貯金や公社債の利子、合同運用信託及び公社債投資信託の収益の分配等。

(2) 配当所得
株主や出資者が法人から受ける配当や公社債投資信託以外の証券投資信託の収益の分配等。

配当所得は、原則として総合課税の対象とされますが、特例として、確定申告不要制度と源泉分離選択課税制度がある。
  確定申告不要制度
確定申告不要制度は、一銘柄について1回に支払を受ける配当金額が5万円(配当金の計算期間が1年以上のときは10万円)以下の配当所得や特定株式投資信託の収益の分配で、その年中に支払を受けるべき金額の合計額が10万円以下のものについては確定申告をしなくてもよいという制度です。ただし、確定申告によって源泉徴収税額の控除や還付を受けることもできます。

(3) 事業所得
商工業者、農漁業者、医師、弁護士、俳優のように、事業を営んでいる人のその事業から生ずる所得。
歯科医院における医業所得はこの事業所得に該当する。

(4) 不動産所得
土地や建物などの不動産の貸付け、地上権などの不動産の貸付けなどによる所得。
月極駐車場の収益は不動産所得、それに対して時間貸し駐車場の収益は事業所得となる。

(5) 給与所得
サラリーマンなどが勤務先から受ける給料、賞与などの所得。
校医や健診の手当は給与所得に該当する。

(6) 退職所得
退職により勤務先から受ける退職手当やなどの所得。

(7) 譲渡所得
土地、建物、ゴルフ会員権などの資産を譲渡することによって生ずる所得。
例えば通勤用の自家用車を買い替えて下取りに出した場合には譲渡所得に該当する。

(8) 山林所得
山林を伐採して譲渡したり、立木のままで譲渡することによって生ずる所得。

(9) 一時所得
営利を目的とする継続的行為から生じた所得以外のもので、労務や役務の対価でもなく、さらに資産の譲渡による対価でもない一時的な性質の所得。
例えば懸賞や福引の賞金品、競馬や競輪の払戻金、生命保険の一時金や損害保険の満期返戻金 等

(10) 雑所得
年金や恩給などの公的年金等、非営業用貸金の利子、著述家や作家以外の人が受ける原稿料や印税、講演料や放送謝金などのように、上記の9種類の所得のいずれにも当たらない所得をいいます。
学術誌への投稿の原稿料等は雑所得に該当する。

上記の10種類の所得の内、我々に密接に関係するのが事業所得としての医業所得である。

● 事業所得の課税のしくみ

1 所得の計算方法(事業所得の金額は、次のように計算します。)

総収入金額・必要経費=事業所得の金額

(1) 収入金額

収入金額には、それぞれの事業から生ずる売上金額のほかに、次のようなものも含まれる。

イ 金銭以外の物や権利などによる収入
ロ 商品を自家用に消費したり贈与した場合のその商品の価額(歯ブラシの自家使用)
ハ 商品などの棚卸資産について支払われる保険金や損害賠償金
ニ 空箱や作業くずなどの売却代金(金属屑売却代金)
ホ 仕入割引やリベート収入

(2) 必要経費

必要経費とすることができるものは、事業収入を得るために必要なもので、次に掲げるようなものである。

イ 売上原価(金属を始めとして患者の口腔内に残るもの)
ロ 給与、賃金
ハ 地代、家賃(家賃やリース料)
ニ 減価償却費
ホ その他の経費
ヘ 専従者給与

2 税額の計算方法

事業所得は、その他の所得、例えば不動産所得などと合計して総所得金額を求め、確定申告によって納める税金を計算する。

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