医療法のワンポイント
Top 最終更新日 2017/06/21

第一条の二  医療は、生命の尊重と個人の尊厳の保持を旨とし、医師、歯科医師、薬剤師、看護師その他の医療の担い手と医療を受ける者との信頼関係に基づき、及び医療を受ける者の心身の状況に応じて行われるとともに、その内容は、単に治療のみならず、疾病の予防のための措置及びリハビリテーションを含む良質かつ適切なものでなければならない。
2  医療は、国民自らの健康の保持増進のための努力を基礎として、医療を受ける者の意向を十分に尊重し、病院、診療所、介護老人保健施設、調剤を実施する薬局その他の医療を提供する施設(以下「医療提供施設」という。)、医療を受ける者の居宅等において、医療提供施設の機能(以下「医療機能」という。)に応じ効率的に、かつ、福祉サービスその他の関連するサービスとの有機的な連携を図りつつ提供されなければならない。

このように医療を行う場所は医療法において「病院、診療所、介護老人保健施設、調剤を実施する薬局その他の医療を提供する施設(以下「医療提供施設」という。)、医療を受ける者の居宅等」と厳密に定められている。在宅治療において、「診療は患者の屋内で行うべきで、外の往診バス内で行うことは認められない」としているのはこのような背景に基づくものと思われる。そこで疑問に思うのは、以下の場合はどうなるの?ということ。
(1) マラソン大会やスーパーなどでの健康イベントにおいて医療行為(血圧の測定や歯の検診)を行うことは?
(2) ドクターカー内での医療行為、又は救急車内での医療行為は?
(3) 自衛隊の野戦病院などは?
(4) 学校の保健室における医療行為は?
 
(1)(2)はよくはわからないが(3)(4)については下記の法律によって担保されているようだ。
# 学校保健安全法
(保健室)
第七条  学校には、健康診断、健康相談、保健指導、救急処置その他の保健に関する措置を行うため、保健室を設けるものとする。
※ 従って、歯科医師が学校に赴いて歯科検診(医療行為としての健康診断)を行うことは適法。

# 自衛隊法
(医療法 の適用除外等)
第百十五条の五  医療法 (昭和二十三年法律第二百五号)の規定は、第七十六条第一項の規定により出動を命ぜられ、又は第七十七条の規定により出動待機命令を受けた自衛隊の部隊等が臨時に開設する医療を行うための施設については、適用しない。
2  前項の医療を行うための施設は、医師法 (昭和二十三年法律第二百一号)第二十四条第二項 、歯科医師法 (昭和二十三年法律第二百二号)第二十三条第二項 、診療放射線技師法 (昭和二十六年法律第二百二十六号)第二十六条第二項 、歯科技工士法 (昭和三十年法律第百六十八号)第二条第三項 ただし書及び第十八条 ただし書、安全な血液製剤の安定供給の確保等に関する法律 (昭和三十一年法律第百六十号)第十三条第一項 ただし書、臨床検査技師等に関する法律 (昭和三十三年法律第七十六号)第二十条の三第一項 、薬事法 (昭和三十五年法律第百四十五号)第二条第十一項 ただし書、第四十六条第二項及び第四十九条第一項ただし書、薬剤師法 (昭和三十五年法律第百四十六号)第二十二条 ただし書並びに救急救命士法 (平成三年法律第三十六号)第二条第一項 及び第四十四条第二項 ただし書の規定の適用についてはこれらの規定に規定する病院と、麻薬及び向精神薬取締法第五十条の十六第一項第一号 及び第二項 の規定の適用については同条 に規定する病院等と、薬事法第三十四条第三項 の規定の適用については同項 に規定する薬局開設者等とみなす。
※ このように医療法の適用除外規定がある。

第五条 公衆又は特定多数人のため往診のみによつて診療に従事する医師若しくは歯科医師又は出張のみによつてその業務に従事する助産師については、第6条の5又は第6条の7、第8条及び第9条の規定の適用に関し、それぞれその住所をもつて診療所又は助産所とみなす。

※ ということは、訪問診療専門の医療機関は、外来の設備は特に必要ないということですよね?

(医療に関する情報の提供等)
第六条の二  国及び地方公共団体は、医療を受ける者が病院、診療所又は助産所の選択に関して必要な情報を容易に得られるように、必要な措置を講ずるよう努めなければならない。
2  医療提供施設の開設者及び管理者は、医療を受ける者が保健医療サービスの選択を適切に行うことができるように、当該医療提供施設の提供する医療について、正確かつ適切な情報を提供するとともに、患者又はその家族からの相談に適切に応ずるよう努めなければならない。

第六条の三  病院、診療所又は助産所(以下この条において「病院等」という。)の管理者は、厚生労働省令で定めるところにより、医療を受ける者が病院等の選択を適切に行うために必要な情報として厚生労働省令で定める事項を当該病院等の所在地の都道府県知事に報告するとともに、当該事項を記載した書面を当該病院等において閲覧に供しなければならない。
2  病院等の管理者は、前項の規定により報告した事項について変更が生じたときは、厚生労働省令で定めるところにより、速やかに、当該病院等の所在地の都道府県知事に報告するとともに、同項に規定する書面の記載を変更しなければならない。
3  病院等の管理者は、第一項の規定による書面の閲覧に代えて、厚生労働省令で定めるところにより、当該書面に記載すべき事項を電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であつて厚生労働省令で定めるものにより提供することができる。
4  都道府県知事は、第一項又は第二項の規定による報告の内容を確認するために必要があると認めるときは、市町村その他の官公署に対し、当該都道府県の区域内に所在する病院等に関し必要な情報の提供を求めることができる。
5  都道府県知事は、厚生労働省令で定めるところにより、第一項及び第二項の規定により報告された事項を公表しなければならない。
6  都道府県知事は、病院等の管理者が第一項若しくは第二項の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をしたときは、期間を定めて、当該病院等の開設者に対し、当該管理者をしてその報告を行わせ、又はその報告の内容を是正させることを命ずることができる。

年に一度県や保健所に報告が義務づけられているあれですよ。Netでいう「医療情報ネットワーク」みたいなもの。

(医業広告)
第六条の五  医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関しては、文書その他いかなる方法によるを問わず、何人も次に掲げる事項を除くほか、これを広告してはならない。
一  医師又は歯科医師である旨
二  診療科名
三  病院又は診療所の名称、電話番号及び所在の場所を表示する事項並びに病院又は診療所の管理者の氏名
四  診療日若しくは診療時間又は予約による診療の実施の有無
五  法令の規定に基づき一定の医療を担うものとして指定を受けた病院若しくは診療所又は医師若しくは歯科医師である場合には、その旨
六  入院設備の有無、第七条第二項に規定する病床の種別ごとの数、医師、歯科医師、薬剤師、看護師その他の従業者の員数その他の当該病院又は診療所における施設、設備又は従業者に関する事項
七  当該病院又は診療所において診療に従事する医師、歯科医師、薬剤師、看護師その他の医療従事者の氏名、年齢、性別、役職、略歴その他のこれらの者に関する事項であつて医療を受ける者による医療に関する適切な選択に資するものとして厚生労働大臣が定めるもの
八  患者又はその家族からの医療に関する相談に応ずるための措置、医療の安全を確保するための措置、個人情報の適正な取扱いを確保するための措置その他の当該病院又は診療所の管理又は運営に関する事項
九  紹介をすることができる他の病院若しくは診療所又はその他の保健医療サービス若しくは福祉サービスを提供する者の名称、これらの者と当該病院又は診療所との間における施設、設備又は器具の共同利用の状況その他の当該病院又は診療所と保健医療サービス又は福祉サービスを提供する者との連携に関する事項
十  診療録その他の診療に関する諸記録に係る情報の提供、前条第三項に規定する書面の交付その他の当該病院又は診療所における医療に関する情報の提供に関する事項
十一  当該病院又は診療所において提供される医療の内容に関する事項(検査、手術その他の治療の方法については、医療を受ける者による医療に関する適切な選択に資するものとして厚生労働大臣が定めるものに限る。)
十二  当該病院又は診療所における患者の平均的な入院日数、平均的な外来患者又は入院患者の数その他の医療の提供の結果に関する事項であつて医療を受ける者による医療に関する適切な選択に資するものとして厚生労働大臣が定めるもの
十三  その他前各号に掲げる事項に準ずるものとして厚生労働大臣が定める事項
2  厚生労働大臣は、医療に関する専門的科学的知見に基づいて前項第七号及び第十一号から第十三号までに掲げる事項の案並びに第四項に規定する基準の案を作成するため、診療に関する学識経験者の団体の意見を聴かなければならない。
3  第一項各号に掲げる事項を広告する場合においても、その内容が虚偽にわたつてはならない。
4  第一項各号に掲げる事項を広告する場合には、その内容及び方法が、医療に関する適切な選択に関し必要な基準として厚生労働省令で定めるものに適合するものでなければならない。

二 政令で定められた診療科名に限る。「歯科」「小児歯科」「矯正歯科」「口腔外科」
三 「電話番号及び所在の場所を表示する事項」には「ホームページアドレス」や「メールアドレス」も含まれる。

(医療の安全の確保)
第六条の九  国並びに都道府県、保健所を設置する市及び特別区は、医療の安全に関する情報の提供、研修の実施、意識の啓発その他の医療の安全の確保に関し必要な措置を講ずるよう努めなければならない。

努力義務ではあるが、行政の情報発信力は充分とは言えないと感じぜざるを得ない。

(掲示義務)
第十四条の二  病院又は診療所の管理者は、厚生労働省令の定めるところにより、当該病院又は診療所に関し次に掲げる事項を当該病院又は診療所内に見やすいよう掲示しなければならない。
一  管理者の氏名
二  診療に従事する医師又は歯科医師の氏名
三  医師又は歯科医師の診療日及び診療時間
四  前三号に掲げるもののほか、厚生労働省令で定める事項

 

(いわゆる医療監視)
第二十五条  都道府県知事、保健所を設置する市の市長又は特別区の区長は、必要があると認めるときは、病院、診療所若しくは助産所の開設者若しくは管理者に対し、必要な報告を命じ、又は当該職員に、病院、診療所若しくは助産所に立ち入り、その有する人員若しくは清潔保持の状況、構造設備若しくは診療録、助産録、帳簿書類その他の物件を検査させることができる。
2  都道府県知事、保健所を設置する市の市長又は特別区の区長は、病院、診療所若しくは助産所の業務が法令若しくは法令に基づく処分に違反している疑いがあり、又はその運営が著しく適正を欠く疑いがあると認めるときは、当該病院、診療所又は助産所の開設者又は管理者に対し、診療録、助産録、帳簿書類その他の物件の提出を命ずることができる。
3  厚生労働大臣は、必要があると認めるときは、特定機能病院の開設者若しくは管理者に対し、必要な報告を命じ、又は当該職員に、特定機能病院に立ち入り、その有する人員若しくは清潔保持の状況、構造設備若しくは診療録、助産録、帳簿書類その他の物件を検査させることができる。
4  厚生労働大臣は、特定機能病院の業務が法令若しくは法令に基づく処分に違反している疑いがあり、又はその運営が著しく適正を欠く疑いがあると認めるときは、当該特定機能病院の開設者又は管理者に対し、診療録、助産録、帳簿書類その他の物件の提出を命ずることができる。 
5  第六条の八第三項の規定は第一項及び第三項の立入検査について、同条第四項の規定は前各項の権限について、準用する。

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