地位確認等請求事件
Top 最終更新日 2017/09/02

■ 地位確認等請求事件

# 東京地裁 平成29年2月23日判決【要旨】

【主文】
1  原告が、被告に対し、労働契約上の権利を有する地位にあることを確認する。
2  被告は、原告に対し、平成26年5月以降、本判決確定の日まで、毎月16日限り、93万1055円及びこれに対する各月17日から支払済みまで年5パーセントの割合による金員を支払え。
3  被告は、原告に対し、491万6000円及びうち122万9000円に対する平成26年7月1日から、うち122万9000円に対する同年12月11日から、うち122万9000円に対する平成27年7月1日から、うち122万9000円に対する同年12月11日から、それぞれ支払済みまで年5パーセントの割合による金員を支払え。
4  原告のその余の請求をいずれも棄却する。
5  訴訟費用は、これを40分し、その1を原告の負担とし、その余を被告の負担とする。
6  この判決は、第2項及び第3項に限り、仮に執行することができる。

【事実及び理由】

第1 請求
1  主文第1項及び第3項に同旨
2  被告は、原告に対し、平成26年5月以降、本判決確定の日まで、毎月16日限り、94万3565円及びこれらに対する各月17日から支払済みまで年5パーセントの割合による金員を支払え。
3  被告は、原告に対し、50万円及びこれに対する平成26年5月30日から支払済みまで年5パーセントの割合による金員を支払え。

第2 事案の概要等
・ 5年間の有期労働契約に基づいて、被告の運営する病院の歯科医長を務めていた原告が、「歯科医療に適格性を欠く行為があり、部下職員を指導監督する役割を果たしていないなどとして、期間途中に普通解雇」をされた。
・ しかし、原告は解雇にいたるやむを得ない事由がなく、解雇は無効として訴えたもの。

1 前提事実(証拠を掲記しない事実は、当事者間に争いがない。)

2 争点及び争点に関する当事者の主張

第3 当裁判所の判断

※ 多くの解雇事由が認定されなかった。

# 本件解雇の手続について
本件解雇に至る経緯は前記前提事実(3)のとおりであり、本件解雇理由については解雇理由書でその内容をある程度明らかにしているとはいえ、事前にはその内容の開示に応じていないし、そもそも本件問題行為については解雇時に考慮された事情として明らかにされていない。本件解雇理由や本件問題行為が原告のした医療行為としての相当性を問題にしていることからすれば、当事者である原告に具体的事実を示さず、弁明の機会を一切与えていない点は、手続面で本件解雇の相当性を大きく減殺させる事情といわなければならない。

# 上記(3)、(4)で検討したところによれば、本件解雇理由及び本件問題行為は被告主張の事実自体認められないものが多くを占め、一部認められるもの(本件解雇理由21及び本件問題行為(14))もあるが、定められた期間途
中での解雇を可能とする、やむを得ない事由に該当するとはいい難く、さらに、上記(6)でみた事情も勘案するならば、本件解雇は無効という評価を免れ難いものというべきである。
したがって、原告は、被告に対し、労働契約上の権利を有する地位にあり、賃金請求権を有すると認められる。もっとも、弁論の全趣旨によれば、役職特勤手当は休日に特別に勤務した場合に支払われる手当であると認められるところ、本件解雇後原告に対し休日出勤が義務付けられていたとは認められないから、当該手当については解雇後の賃金として請求できないというべきである。

第4 結論
以上によれば、原告の請求は主文1項から3項までに掲記した限度で理由があるから認容し、その余は理由がないから棄却することとして、主文のとおり判決する。

【判決文】http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/990/086990_hanrei.pdf

 

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