歯科医療と信書
Top 最終更新日 2017/06/21

★ 歯科医療と信書
以前、レセプトを送付するとき、うちでは「書留速達郵便」で送っていたが、中にはメール便の用な方法で送っていた医療機関もあった。当時は、個人情報が格納されたレセプトは「信書」じゃないのかなぁ、と思うくらいであったが、その後やはりその方法ではまずいという話になったようだ。
昨年出された総務省の「信書のガイドライン(平成23年11月17日更新)」によると、「レセプト」は「請求書の類」に分類され、【類例】レセプト(診療報酬明細書等)と例示され、明確に信書であることがはっきりした。さて、ではそのレセプト内容が記録されたCD−ROMはどうなるのかという話になるが、以下を見て頂ければわかるように、信書ではないのでメール便などで送ることは可能のようだ。ただし、紙の書類が同封されている場合、それが送り状なのか信書としての文書なのか精査する必要がある。
また、レセプトを除く発送文書については、歯科医院では全部信書という取扱いにしておけばいい。そう量は多くないのですから。ただし、患者さんにダイレクトメールなどを発送する場合には注意ですね。

★ 【総務省の信書のガイドライン基本的な考え方(平成23年11月17日更新)】から

# 信書とは
・ 「特定の受取人に対し、差出人の意思を表示し、又は事実を通知する文書」と郵便法及び信書便法に規定されています。
# 特定の受取人とは
・ 差出人がその意思又は事実の通知を受ける者として特に定めた者です。
# 意思を表示し、又は事実を通知するとは
・ 差出人の考えや思いを表現し、又は現実に起こりもしくは存在する事柄等の事実を伝えることです。
# 文書とは
・ 文字、記号、符号等人の知覚によって認識することができる情報が記載された紙その他の有体物のことです(電磁的記録物を送付しても信書の送達には該当しません。)
 
# 信書に該当する文書
(1) 書状
(2) 請求書の類
【類例】納品書、領収書、見積書、願書、申込書、申請書、申告書、依頼書、契約書、照会書、回答書、承諾書、◇レセプト(診療報酬明細書等)、◇推薦書、◇注文書、◇年金に関する通知書・申告書
(3) 会議招集通知の類
【類例】 結婚式等の招待状、業務を報告する文書
(4) 許可書の類
【類例】 免許証、認定書、表彰状
※カード形状の資格の認定書などを含みます。
(5) 証明書の類
【類例】印鑑証明書、納税証明書、戸籍謄本、住民票の写し ◇健康保険証、◇登記簿謄本、◇車検証、◇履歴書、◇給与支払明細書、◇産業廃棄物管理票、◇保険証券、◇振込証明書、◇輸出証明書、◇健康診断結果通知書・消防設備点検表・調査報告書・検査成績票・商品の品質証明書その他の点検・調査・検査などの結果を通知する文書
(6) ダイレクトメール
・ 文書自体に受取人が記載されている文書
・ 商品の購入等利用関係、契約関係等特定の受取人に差し出す趣旨が明らかな文言が記載されている文書
 
# 信書に該当しない文書
(1) 書籍の類
【類例】新聞、雑誌、会報、会誌、手帳、カレンダー、ポスター、◇講習会配布資料、◇作文、◇研究論文、◇卒業論文、◇裁判記録、◇図面、◇設計図書
(2) カタログ
【類例】◇専ら街頭における配布や新聞折り込みを前提として作成されるチラシ、◇店頭での配布を前提として作成されるパンフレットやリーフレット
(3) 小切手の類
【類例】 手形、株券、◇為替証書
(4) プリペイドカードの類
【類例】 商品券、図書券、◇プリントアウトした電子チケット
(5) 乗車券の類
【類例】 航空券、定期券、入場券
(6) クレジットカードの類
【類例】 キャッシュカード、ローンカード
(7) 会員カードの類
【類例】 入会証、ポイントカード、マイレージカード
(8) ダイレクトメール
・ 専ら街頭における配布や新聞折り込みを前提として作成されるチラシのようなもの
・ 専ら店頭における配布を前提として作成されるパンフレットやリーフレットのようなもの
(9) その他
◇説明書の類(市販の食品・医薬品・家庭用又は事業用の機器・ソフトウェアなどの取扱説明書・解説書・仕様書、定款、約款、目論見書)、◇求人票、◇配送伝票、◇名刺、◇パスポート、◇振込用紙、◇出勤簿
 
★ 「信書に該当する文書に関する指針」Q&A集(平成23年11月17日更新)
 
1 総論
 
Q1 法人あての文書も信書になるのですか(「特定の受取人」にあてた文書にならないのではないですか)
A1 受取人は、民法上の自然人であるか法人であるかを問いません。差出人がその意思の表示又は事実の通知を受ける者として特に定めてあれば、「○○会社 御中」と記載したとしても、それは○○会社に対する意思の表示又は事実の通知をしていることとなるため、信書に該当します。
 
Q2 会社内での他部署あての文書も信書になるのですか
A2 会社内のある部署から別の部署にあてた場合でも、差し出す部署からの意思を表示し、又は事実を通知する文書であれば、信書に該当します。(よくある質問Q1、Q3参照)

Q3 個人情報が含まれている文書は全て信書になるのですか
A3 信書に該当するか否かは、個人情報を含むか否かによってではなく、その文書の内容が、特定の受取人に対して、差出人の意思を表示したり、事実を通知するものであるか否かによって判断されます。(よくある質問Q3参照)

Q4 封筒に「親展」と記載された場合はすべて信書になるのですか
A4 封筒に「親展」の記載があるからといって必ずしも信書に該当するとは限りません。信書に該当するか否かは、その封筒に収められた文書の内容が、特定の受取人に対して、意思を表示したり、事実を通知するものであるか否かによって判断されます。

Q5 電磁的記録物はなぜ信書ではないのですか
Q6 電磁的記録物(例:情報をCD、DVD、USBメモリ等に電子データとして記録したもの)は、その物を人が見るだけでは情報の内容がわからないことから、「文書」とはならないため、信書に該当しません。
※ 文書とは、文字、記号、符号等人の知覚によって認識することができる情報が記載された紙その他の有体物のことをいいます。
 
2 よくある質問
 
Q1 特定の方ではなく、ご覧になる方一般向けに作成したお知らせ文書は信書に該当しますか?
A1 特定の方ではなく、ご覧になる方一般に向けて意思を表示したり、事実を通知するために作成された文書は、信書に該当しません。
(例)
・ 来店した顧客に手渡すなどにより不特定の者に配布されている店舗移転のお知らせを他の顧客に送付する場合
・ 店舗やロビー等に置いて関心を持った者に自由に持ち帰らせるなど不特定の者に配布されているイベント・セミナー等の案内チラシを取引先に送付する場合
・ 一方、特定の受取人に対して意思を表示したり、事実を通知するために作成された文書は、信書に該当します。
※ ホームページや新聞等に掲載した内容と同一内容の文書であっても、特定の受取人に対し、差出人の意思を表示したり、事実を通知するために作成された文書は、信書に該当します。
(例)
・ 会員限定のセールの開催案内を会員に送付する場合
・ 顧客を対象としたイベント・セミナー等への参加を勧誘したり、依頼する文書を取引先に送付する場合
・ また、意思を表示したり、事実を通知する文書であっても、例えば、会社から各従業員に対する文書を本社において全従業員分を一括作成し、支店等に所属する従業員分をまとめて送付する場合には、本社からその支店等への送付については、これにより会社が意思を表示したり、事実を通知するものではないため、信書の送達には該当しません。(その文書によって会社が意思を表示したり、事実を通知するのは、支店等においてその文書を各従業員に交付する際です。)
(例) 
・ 本社で作成した全従業員分の給与明細を支店等の給与担当者に送付する場合
 
Q2 自己の証明書のコピーを家族に送付することは、信書の送達に該当しますか?
A2 免許証、資格等の認定書、検査などの結果を通知する検査成績票や商品の品質証明書など証明書や許可書の類については、その許可や証明等を行う者からその許可や証明等を受ける者に対して送付する場合は、差出人から特定の受取人に対して意思を表示し、又は事実を通知する文書であるため、信書の送達に該当します。
 一方、許可や証明を受けてその許可書や証明書等を受領した者が、その証明書の原本やコピーを他所へ送付する場合は、信書の送達に該当しません。
(例)
・ 契約書の写しを支店から本社法務担当部署に送付する場合
・ 旅行申込書の控えを旅行会社から申し込んだ顧客に送付する場合
・ 納品伝票の写しを納品業者に返送する場合
 
Q3 支店等において受付処理をした顧客からの契約申込書や請求書を本社に送付することは、信書の送達に該当しますか?
A3 顧客(取引先)が契約申込書や請求書などを、支店等に送付する場合は、特定の受取人に対して差出人の意思を表示したり、事実を通知する文書を送付するものであり、信書の送達に該当します。
 一方、支店等において受付処理をした申込書や請求書をその後の処理のために本社等へ送付する場合は、支店等におけるこれらの受付処理として、顧客の会社に対する意思の表示や事実の通知が既になされた後であるため、信書の送達に該当しません。
(例) 
・ 顧客から支店等に届いた請求書を支店等にて受け付け、経理処理を終えて、保管のために本社に送付する場合。
 
Q4 受け取った文書を差出人に返送する場合は、信書の送達になりますか?
A4 ご指摘の事例では、信書に該当する場合と該当しない場合があります。
 例えば、未記入の申込用紙を送付する場合は、特定の受取人に対する差出人の意思を表示したり、事実を通知する文書とはならないため、信書に該当しませんが、その申込用紙を受け取った申込人が、必要な事項を記入した上で企業等に送付する場合は、特定の受取人に対して差出人の意思を表示したり、事実を通知する文書となるため、信書に該当します。
(例) 
・ 求人応募のため、応募人が履歴書を企業に送付する場合は、特定の受取人(企業)に対する差出人(応募人)の事実(経歴等)を通知した文書となるため、信書に該当しますが、企業が応募人に対し履歴書を返送する場合は、履歴書自体に差出人(企業)の事実の通知がないため、信書に該当しません。
(※ただし、合否の通知とともに送付する場合は、合否の通知自体が信書となります。)
 
Q5 どのような文書が添え状・送り状に該当しますか?
A5 貨物の送付と密接に関連し、その貨物を送付するために従として添付される無封の添え状・送り状は、信書に該当しますが、貨物に添えて送付することができます。(郵便法第4条第3項)
 
3 具体的な事例について
 
Q1 車検証は信書に該当しますか?
A1 車検証は、陸運局等が自動車の所有者に対して、登録された自動車が保安基準に適合していること及び記載された所有者が所有権を有しているという事実を通知したり、意思を表示する文書であり、信書に該当します。
 一方、自動車の所有者が受領した後においては、その車検証による事実の通知や意思の表示が既になされた後であるため、その原本もコピーも、信書に該当しません。
(類例)血統書、合格証書、産業廃棄物管理票、点検表・調査報告書・検査成績票・品質証明書その他の点検・調査・検査などの結果を通知する文書
 
Q2 市販されている製品の取扱説明書は信書に該当しますか?
A2 市販されている製品の取扱説明書は、広くその製品の使用者一般に対し、その製品の使用方法や使用上の注意などの意思を表示し、又は事実を知らせるものであり、特定の受取人に対するものではないため、信書には該当しません。
(類例)市販の食品・医薬品・家庭用又は事業用の機器・ソフトウェアなどの取扱説明書、約款、目論見書
 
Q3 顧客に送る商品サンプルは信書に該当しますか?
A3 商品サンプルは、文書に該当しないため、信書には該当しません。
(類例)鍵、カードキー、花束
  
Q4 履歴書は信書に該当しますか?
A4 履歴書は、一般的に、応募する会社等に対し自らの経歴や資格等の情報を通知する文書であり、応募者から会社等に送付する場合は、特定の受取人に事実を通知する文書となるため、信書に該当します。
 一方、会社等による選考後、当該履歴書を応募者に返送する場合は、会社から応募者へ情報を通知する文書ではないため、信書には該当しません。
 
Q5 論文は信書に該当しますか?
A5 論文は、一般的に、広く一般に自らの考えや研究成果を知らしめるために作成される文書であるため、信書には該当しません。
(類例)作文、卒業論文、俳句、裁判記録、講習会冊子
  
Q6 施工主に送る設計図は信書に該当しますか?
A6 設計図は、製作に携わる者が参照するために作成されるものであれば、特定の者に対し意思を表示し又は事実を通知する文書ではないため、信書には該当しません。
 
Q7 各種試験の合否や得点・偏差値等を記載した文書は信書に該当しますか?
A7 各種試験の合否や得点・偏差値等を記載した文書を、その内容を通知するために送付する場合には、差出人から特定の受取人に対して意思を表示したり、事実を通知する文書であるため、信書に該当します。

★ 「信書に該当する文書に関する指針(案)」パブリックコメント時の御意見と総務省の考え方

@ 書状
【意見】 照会、回答、申告、依頼、承諾等の事例を列挙すべき。
【見解】 照会、回答、申告、依頼、承諾等は、ある事項について問い合わせる等の意思を表示し、又は事実を通知する文書ですので、差出人から特定の受取人にその内容を伝えるために送付する場合は、信書に該当します。これらは類例として指針に追加しました。
 
A 会議招集通知の類
【意見】 公となっている会議の招集文書や書籍に会議招集通知が同封された場合の扱いが不明確。
【見解】 公となっている会議への招集文書であっても、会議への出席を要請するという意思を表示し、又は事実を通知する文書ですので、差出人から特定の受取人にその内容を伝えるために送付する場合は、信書に該当します。
また、書籍を送付する際には、当該書籍の送付目的を示す簡単な通信文等を記載した無封の添え状又は送り状を添付することができますが、会議招集文書は、会議への出席を要請するものであり、添え状及び送り状には該当しません。
 
【意見】 類例に会議招集通知の類に対する出席者からの返信も追加すべき。
【見解】 会議招集通知の類に対する返信は、回答書に分類できることから、これを類例として指針に追加しました。
  
B 許可書の類
【意見】 認定書や表彰状は、私的(企業内等)なものも含まれるのか明らかにすべき。
【見解】 認定書や表彰状は、ある事実等の認定や表彰の意思を表示し、又は事実を通知する文書ですので、差出人から特定の受取人にその内容を伝えるために送付する場合は、公的なものであるか私的なものであるかにかかわらず信書に該当します。
 
C ダイレクトメール
【見解】 指針に「文書自体に個々の受取人が記載されている場合、その記載がない場合であっても、商品の購入等利用関係があることを示す文言や契約関係等差出人との間において特定の関係にある者への意思の表示又は事実の通知である旨の文言その他の差出人が特定の受取人に差し出す趣旨が明らかとなる文言が記載されている場合は、信書に該当する。」や「専ら店頭における配布を前提として作成されるパンフレットやリーフレットのような場合には、それらが差し出される場合にも特定の受取人に対して意思を表示し、又は事実を通知するという実態を伴わないことから、信書には該当しない。」との例示を追加し、より分かりやすくしました。
なお、ダイレクトメールの中にはカタログも含まれるとの考え方もありますが、指針では、カタログを「必要なときに商品を選択して注文するためのもので、系統的に編さんされた商品、申込方法、商品の広告等が印刷された商品紹介集(一般的には冊子とたもの)」としており、商品の購入等を勧誘する文書等であるダイレクトメールとは区別して例示しています。
 
【意見】 受取人の氏名が記載されている特別頒布会のチラシは信書とすべき。
【見解】 受取人の氏名が記載されている特別頒布会の文書は、特定の受取人に対して意思を表示し、又は事実を通知するものですので、信書に該当します。御意見のような文書は、専ら街頭における配布や新聞折り込みを前提として作成されるチラシには該当しません。
 
D 追加すべき具体例
【意見】 テープ、カード、フロッピー等を「文書」に類するものとして信書の範疇に加えるべき。
【見解】 電磁的に記録されたテープやフロッピーディスク等は、そこに記載された情報が、人の知覚によって認識することができないものですので、これらを送付しても信書の送達には該当しません。このことは指針に明示しました。
 
【意見】 契約書の類を追加すべき。
【見解】 契約書は、契約するという意思を表示し、又は事実を通知する文書ですので、差出人から特定の受取人にその内容を伝えるために送付する場合は、信書に該当します。契約書は類例として指針に追加しました。
 
E全体
【意見】 書状と役所から出る証明書以外は信書としない。 信書とは、常識に照らして、はがき・手紙の類のみと判断している。
【意見】  信書は、書状、請求書の類、会議招集通知の類、許可書の類、証明書の類にとどめるべき。
【見解】 信書の範囲については、法律で規定された信書の定義に基づき判断されるものであり、御意見のような文書に限定されるものではありません。
なお、信書に該当する文書及び信書に該当しない文書には様々なものがありますが、指針はその代表的な事例を示すものです。

2 信書に該当しない文書の例
 
@書籍の類
【見解】 一般的に、会報・会誌は、会の活動状況等を会員や外部の人に対して知らせるために発行されるものであり、特定の受取人に対して意思を表示し、又は事実を通知する文書ではありませんので、信書には該当しません。

Aカタログ
【見解】 指針では、カタログを「必要なときに商品を選択して注文するためのもので、系統的に編さんされた商品、申込方法、商品の広告等が印刷された商品紹介集(一般的には冊子としたもの)」としたところです。このようなカタログは、利用者一般に対して発行されるものであり、特定の受取人に対するものではありませんので、信書には該当しません。

B小切手の類
【見解】 受取人が指定された小切手であっても譲渡は可能であり、流通性を有する証券には変わりありません。この場合でもそこに記載された文書は、証券が流通する際に必要とされる事項を記載したものであり、特定の受取人に対して意思を表示し、又は事実を通知する文書ではありませんので、信書には該当しません。

Cプリペイドカードの類
【見解】 プリペイドカードに記載された文書は、それを使用する際に必要となる注意事項であり、当該カードを送付することによって、その受取人に対して意思を表示し、又は事実を通知するものではありませんので、信書には該当しません。
 
Dクレジットカードの類
【見解】 そこに記載された文書が物と密接に関連している場合には、カードという物の送付と考えられることから、信書には該当しません。
なお、クレジットカードを送付する際、同封できる信書は、無封の添え状及び送り状に限られます。
 
【意見】 文書ファイルがインストールされたフロッピーディスクやCD−ROMまでが信書と解釈されかなねない。
【見解】 文書ファイルがインストールされたフロッピーディスクやCD−ROM等電磁的に記録されたものについては、そこに記載された情報が、人の知覚によって認識することができないものですので、これらを送付しても信書の送達には該当しません。このことは指針に明示しました。

統計表示