歯科医師の守秘義務
Top 最終更新日 2017/06/21

■ 刑法
(秘密漏示)
第百三十四条  医師、薬剤師、医薬品販売業者、助産師、弁護士、弁護人、公証人又はこれらの職にあった者が、正当な理由がないのに、その業務上取り扱ったことについて知り得た人の秘密を漏らしたときは、六月以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。
2  宗教、祈祷若しくは祭祀の職にある者又はこれらの職にあった者が、正当な理由がないのに、その業務上取り扱ったことについて知り得た人の秘密を漏らしたときも、前項と同様とする。
■ 刑事訴訟法
第百五条  医師、歯科医師、助産師、看護師、弁護士(外国法事務弁護士を含む。)、弁理士、公証人、宗教の職に在る者又はこれらの職に在つた者は、業務上委託を受けたため、保管し、又は所持する物で他人の秘密に関するものについては、押収を拒むことができる。但し、本人が承諾した場合、押収の拒絶が被告人のためのみにする権利の濫用と認められる場合(被告人が本人である場合を除く。)その他裁判所の規則で定める事由がある場合は、この限りでない。

第百四十九条  医師、歯科医師、助産師、看護師、弁護士(外国法事務弁護士を含む。)、弁理士、公証人、宗教の職に在る者又はこれらの職に在つた者は、業務上委託を受けたため知り得た事実で他人の秘密に関するものについては、証言を拒むことができる。但し、本人が承諾した場合、証言の拒絶が被告人のためのみにする権利の濫用と認められる場合(被告人が本人である場合を除く。)その他裁判所の規則で定める事由がある場合は、この限りでない。

■ 民事訴訟法
第百九十七条  次に掲げる場合には、証人は、証言を拒むことができる。
一  第百九十一条第一項の場合
二  医師、歯科医師、薬剤師、医薬品販売業者、助産師、弁護士(外国法事務弁護士を含む。)、弁理士、弁護人、公証人、宗教、祈祷若しくは祭祀の職にある者又はこれらの職にあった者が職務上知り得た事実で黙秘すべきものについて尋問を受ける場合
三  技術又は職業の秘密に関する事項について尋問を受ける場合
2  前項の規定は、証人が黙秘の義務を免除された場合には、適用しない。

・ 刑法第百三十四条(秘密漏示)には「歯科医師」という文言が無いことから、歯科医師には守秘義務は無いと考える場合もあるようだが、当然歯科医師にも守秘義務があると解される。その理由として刑法が出来たのが「医師」「歯科医師」の峻別がなされる以前であることがあるのでは無いだろうか?つまり、刑法が出来た時点での「医師」という表現は「歯科医師」も含むと解される。
・ 刑法: 明治四十年四月二十四日法律第四十五号
・ 歯科医師法: 昭和二十三年七月三十日法律第二百二号

・ 刑法上は「秘密漏示罪」が適応される。また「刑事訴訟法」「民事訴訟法」上は、「業務上知り得た内容について」は証言を拒む事ができる。しかし刑事訴訟法には、本人(歯科医師)が承諾した場合にはこの限りでは無いとも書かれている。しかし、被告の同意を得ずにみだりに証言を承諾すれば刑法第百三十四条(秘密漏示)に問われ兼ねないので注意が必要だろう。

・ よく有名人が病気になったりすると、主治医が会見を開いて患者の病状などをあきらかにすることがあるが、当然この場合には患者の承諾を得ているものと思われる。しかし、はたからみるとその辺は不明瞭である。従ってこの様な会見の際には、冒頭で医師が「患者の承諾を得ての会見である」ことを表明すべきであり、また報道機関もそういった内容もおろそかにせずに報道すべきである。

■ 参考: 税務調査の際のカルテの開示(厚生労働省見解): 税務調査におけるカルテ開示の義務

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