キシリトール製品とむし歯
Top 最終更新日 2017/06/21

★ キシリトールを使用した菓子類の商品テスト結果(抜粋)

国民生活センター: http://www.kokusen.go.jp/pdf/n-19981106.pdf
 
# テスト結果
・ キシリトールは1g 当たりエネルギーが3kcal あり、糖アルコールの中では高い部類に入る。
・ キシリトールの含量は、100g 中にガムで12.1〜43.4g、キャンデーで7.2〜20.3g、清涼菓子で22.1〜95.3g と様々であった。分析された糖類および糖アルコール中の割合で見ると、ガムで17.3〜59.4%、キャンデーで7.1〜73.6%、清涼菓子で30.4〜100%であった。キシリトール使用の菓子類全体では、別の糖類もしくは糖アルコールがキシリトールより多く含まれているものは、ガムで1 銘柄、キャンデーで4 銘柄、清涼菓子で2 銘柄あり、キャンデーの2 銘柄では、90%以上がキシリトール以外の糖類もしくは糖アルコールであった。なお、キシリトールを使用した15 銘柄のうち、原材料表示以外に「キシリトール使用」などの強調表示のあるものが、ガム1 銘柄および清涼菓子の2 銘柄を除く12 銘柄に見られた。

# 虫歯になる可能性はあるか
・ テスト対象の26 銘柄の虫歯になりにくさについて、主として虫歯原因菌による酸産生の有無により評価した。
・ ガムでは、菌接種前よりpH の低かったキシリトール使用の1 銘柄および砂糖使用の1 銘柄を除いては、pH は5.7 以下にはならなかった。菌接種前よりpH の低かった1 銘柄もpH 調整後の試験では、pH が5.7 以下にならなかった。そのため、ガムは砂糖使用の1 銘柄を除いては虫歯になりにくいといえる。なお、これらの銘柄には1 銘柄を除いて「シュガーレス」の表示があった。
・ キャンデーでは、キシリトールを使用していないシュガーレス表示のある1銘柄および砂糖を使用した2 銘柄でpH が5.7 以下になった。他の5 銘柄ではpH が5.7 以下にならず、虫歯になりにくいといえ、これらの銘柄には全て「シュガーレス」もしくは「ノンシュガー」の表示があった
・ 清涼菓子では、菌接種前よりpH の低いものが3 銘柄あり(キシリトール使用の1 銘柄、キシリトールを使用していないシュガーレス表示のある1 銘柄、砂糖使用の1 銘柄)、この3 銘柄とソルビトールを使用しているシュガーレス表示のある2 銘柄で18 時間後のpH が5.7 以下になった。菌接種前よりpH の低かった3 銘柄のうちpH 調整後の試験でpH が5.7 以下にならなかったのはキシリトールを使用した1 銘柄だけであった。なお、砂糖使用の銘柄はpH が5.7 以下になった。従って、キシリトールを使用した5 銘柄は虫歯になりにくいといえるが、これらの銘柄には全て「シュガーレス」の表示があった。

# テスト結果より
・ キシリトールの使用量は様々。同じ商品でも甘味料中の数%程度からほぼ100%のものまであるキシリトールの含量は、100g 中にガムで12.1〜43.4g、キャンデーで7.2〜20.3g、清涼菓子で22.1〜95.3g と様々であった。分析された甘味料中の割合で見ると、ガムで17.3〜59.4%、キャンデーで7.1〜73.6%、清涼菓子で30.4〜100%であ
り、甘味料の90%以上がパラチニットなどキシリトール以外でできている銘柄もあった。テストしたキシリトールを使用した15 銘柄のうち、原材料表示以外にキシリトールを使用していることを示す表示は14 銘柄に見られたが、甘味料としてキシリトールが最も多く使用されているのは、6 割程度でしかなかった。
・ 「キシリトール使用」ではなくとも、「シュガーレス」であれば、虫歯の原因となる酸をつくりにくいミュータンスレンサ球菌(虫歯原因菌)による酸発酵性(虫歯になりにくさ)を調べたところ、キシリトールを使用した銘柄も他の糖アルコールを使用した銘柄も、いずれも虫歯になりにくいレベルにあり差は見られなかった。ただし、砂糖を併用しているキャンデーの1 銘柄では、砂糖と同レベルの酸産生があった。
また、ソルビトールを使用している清涼菓子の2 銘柄、還元麦芽糖水飴を使用しているキャンデーの1 銘柄およびパラチニットを使用している清涼菓子の1 銘柄では、長時間(18 時間)ミュータンスレンサ球菌と接触していると酸産生があったが、短時間(2 時間以内)ではなく、実際の口腔内では虫歯の原因とはなりにくい。
・ キシリトール使用のガムをかむだけでは、虫歯予防は難しい
毎食後に10 分間キシリトール使用あるいはマルチトール使用のガム(いずれも「シュガーレス」表示のある銘柄)をかむモニターテストを10 日間実施した。その結果、10 日間では口腔内のミュータンスレンサ球菌の数にほとんど変動はなかった。日常生活では、食事や間食により口腔内のミュータンスレンサ球菌が活発となりpH がしばしば下がると考えられ、プラスアルファ程度にキシリトールを使用したガムをかむことでは、虫歯原因菌を減らすことは難しいといえる。
ただし、ガムをかむことで唾液分泌を促せるので、ミュータンスレンサ球菌による酸産生のないガムであれば、分泌された唾液により口腔内のpH 回復を早めることが期待できる。そのため、何もしないよりは、シュガーレスのガムをかむことは、虫歯予防の一つととらえることはできる。

# 消費者へのアドバイス
・ キシリトールは、「虫歯の原因となりにくい」甘味料の一つであり、他にも同様の性質を持つものがある
キシリトールは、虫歯の原因となる菌(ミュータンスレンサ球菌)に利用されにくく、歯を溶かす酸をつくらせない性質がある。しかし、キシリトールだけが虫歯の原因となりにくいわけではなく、マルチトールやソルビトールなどの糖アルコール全般や、パラチノースなどの一部の糖類も同様の性質を持つ。
・ 虫歯になりにくさと商品中のキシリトール含量とは関係ない
一部報道などで、キシリトールには虫歯を予防する効果があり、そのためには含量が問題となるということが取り上げられたためか、消費者アンケートでもキシリトール含量を気にするとの回答が多かった。しかし、キシリトールもその他の糖アルコールも実質的な作用は同等とされており、特にキシリトール含量のみを気にする必要
・ 「キシリトール使用」の表示があっても虫歯になりうるものがある
「キシリトール使用」の表示のある一部の商品には、虫歯の原因となりうる砂糖やブドウ糖などの糖類が多く使われているものがある。キシリトール自身は酸産生がないが、砂糖などの酸産生まで抑えるものではないので、虫歯の原因になりにくい商品を選ぶ際に「キシリトール使用」の表示は目安とはならない。
・ 虫歯の原因になりにくい菓子を選ぶなら、特定保健用食品や「シュガーレス」などの表示を目安にしよう
虫歯の原因になりにくいことを期待するのであれば、酸産生のないことが実験的に確かめられていることを示す、「虫歯になりにくい」特定保健用食品や日本トゥースフレンドリー協会のマークなどを目安とした方がよい。また、「シュガーレス」の表示のある菓子類は、虫歯の原因となりにくい甘味料だけが使われており、テスト結果を見る限りでは、「シュガーレス」表示のガム、キャンデーおよび清涼菓子は虫歯の原因にはなりにくかったことから、商品選択の目安にするとよい。
・ シュガーレスガムの利用も虫歯予防の一つの手段
虫歯を予防するためには、口腔内をきれいにして、食後に歯の表面に残った食物に含まれる糖質が虫歯原因菌に利用されにくいようにし、pH が低下している時間を短くすることが第一である。そのためには、歯みがきが効果的であり、歯を丈夫にするためにフッ素入り歯みがき剤などを使用することもよい。
また、唾液には酸を中和する働きがあり、食後酸産生のない(例えばシュガーレスの)ガムをかむことは、唾液の分泌を促してpH が低下している時間を短縮できるので、食事やおやつのあとに利用することは、予防につながるといえる。
・ 食べ過ぎには注意が必要。一時的にお腹が緩くなることがある
キシリトールなどの糖アルコールは、多くの果物や野菜にも含まれるものであるが、一度に大量に摂取すると一時的にお腹が緩くなることがある。また、食物繊維の多く含まれる食品も同様にお腹が緩くなることがある。この事は、多くの商品のパッケージに表示されているが、気になる場合には少量食べて様子を見るなどの注意をしてほしい。

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