歯科医師の業務
Top 最終更新日 2017/06/21

★ 歯科医療の対象

 歯科医療を行う場合、その対象をどこにおくかが問題ですね。「歯」「歯周組織」などは誰にでもわかるでしょうが、それだけでは無いんですね。歯科医療の範囲を定めた文献や規則は見あたりませんが、以下の資料がその目安の一つになるでしょう。

 歯科の診療範囲とは、歯牙、歯肉、口唇、頬粘膜、上下歯槽、硬口蓋、舌前3分の2、口腔底、軟口蓋、顎骨(顎関節を含む)、唾液腺(耳下腺を除く)を加える部位とする。
出典・第2回「歯科口腔外科に関する検討会」議事要旨(平成8年5月16日)

 一般の開業医においては問題となることは少ないですが、口腔外科の分野では、口腔ガンの手術時において頸部隔清術がその範囲に入るかなど、問題が生ずる場合もあります。
 この点において、上記の解釈は「歯科口腔外科」としての診療科の標榜に関しての診療範囲であり、歯科全般の診療範囲ではないという御意見もあるようですが、歯科診療の範囲を定めた見解が存在しない以上、歯科における一番広い診療範囲を定めた上記見解が一つの目安となることは確かでしょう。しいて言えば、顎関節も歯科の範疇にはいるかな。

 逆に医師がどの程度歯科医療に踏み込めるかという問題もありますが、歯科医療の範疇には歯科医行為であると同時に医師行為であることが含まれています。例えば、抜歯、齲蝕の治療(充填の技術に属する行為を除く)歯肉疾患の治療、歯髄炎の治療等、所謂口腔外科に属する行為等は医師でもOKです。  

 ちなみに、歯周疾患をはじめとする口腔疾患に対して「禁煙指導」を行うことは可能ですが。「ニコチンパット」の処方は、歯科医師は行うことはできません。

★ 歯科医師の任務

 歯科医師法: 第1条(歯科医師の任務)
歯科医師は、歯科医療及び保健指導をつかさどることによって、公衆衛生の向上及び増進に寄与し、もって国民の健康な生活を確保するものとする。

 それでは歯科医師の義務とは何であろうか?歯科医師法には以下のように記載してあります。
 歯科医師の義務・禁止事項
(1) 診療応召の義務(歯科医師法19条) 関連通知
(2) 無診察治療の禁止(歯科医師法20条)
(3) 処方箋交付の義務(歯科医師法21条)
(4) 保健指導を行う義務(歯科医師法22条)
(5) 診療録の作成・保存の義務(歯科医師法第23条)

 歯科医師の業務に関する規則
(1) 死亡診断書の記載事項(歯科医師法施行規則19条の2)
(2) 処方箋の記載事項(歯科医師法施行規則20条)
患者の氏名・年齢・薬名・分量・用法・用量・発行年月日・使用期間及び病院若しくは診療所の名称及び所在地又は歯科医師の住所を記載し、記名押印又は署名
(3) 薬剤容器等の記載事項(歯科医師法施行規則21条)
用法・用量・交付の年月日・患者の氏名及び病院若しくは診療所の名称及び所在地又は歯科医師の住所及び氏名
(4) 診療録の記載事項(歯科医師法施行規則22条)
一 診療を受けた者の住所・氏名・性別及び年齢
二 病名及び主要症状
三 治療方法(処方及び処置)
四 診療の年月日

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