歯周病のガイドライン2015
Top 最終更新日 2018/04/14
歯科医療のガイドライン  

【日本歯周病学会の歯周治療の指針2015を読んでの独り言】

# 1回目の歯周組織検査と2回目の再評価検査は同じ内容が望ましく、比較検討する。【参考

# 歯周外科治療後の再検査は4週間後。歯周基本治療後の再検査の期間は特に記載が無いか?【参考

# SPT前の再評価検査は、初診時の歯周病検査と原則的に同じ内容で行う。【参考

# SPTの目的。【参考

# メインテナンス。【参考

# 在宅患者の歯周治療: エックス線写真検査が困難なため、治療方針を立案するうえで問診や視診の役割が大きい。つまりX線無しの治療も有りだな。【参考

# 周術期: 歯周病が存在し炎症状態が存在する場合には菌血症を引き起こし、歯周病原細菌を含む口腔内細菌が全身に到達することが知られており、大手術後の術後感染を引き起こすリスクとなる。がんの手術療法に限らず、この様な場合には大手術に先立ち、適切な口腔衛生処置と抗菌薬等を併用することで口腔内の細菌感染に対する処置を行うことが必要となる。【参考

# プラークコントロールはすべての治療に優先される。【参考

# ブラッシング指導: ブラッシング指導は、モチベーションと同様、繰り返し行う必要がある。【参考

# PMTC【参考

# スケーリングおよびルートプレーニング(SRP)【参考
・ SRP時には、全身性疾患のある患者に対しては菌血症も考慮に入れ、必要に応じて抗菌薬、消炎鎮痛薬などの投薬を行う。
・ SRPは3mm未満の歯周ポケット深さに対して行うとアタッチメントロスを生じる危険性がある。

 


■ 日本歯周病学会の歯周治療の指針2015より(抜粋・まとめ)

■ 歯周病の定義

・ 歯周病は歯周疾患ともよばれ、歯肉病変と歯周炎とに大別される。
・ 歯周病は非プラーク性歯肉疾 患を除き、歯周病原細菌によって引き起こされる感染性炎症性疾患であり、歯肉、セメント質、歯 根膜および歯槽骨よりなる歯周組織に起こる疾患をいう。
 さらに、歯周病には上記疾患のほかに壊 死性歯周疾患、歯周組織の膿瘍、歯周・歯内病変、歯肉退縮および強い咬合力や異常な力によって 引き起こされる咬合性外傷が含まれる。ただし歯髄疾患の結果として起こる根尖性歯周炎 および歯周組織を破壊する新生物(悪性腫瘍など)は含まない。

■ 歯周病の罹患状態

・ 年齢別の有病率は、45〜49歳は約87%ともっとも多く、35〜69歳では80%以上を示す。
・ 歯周病の推定患者数は約9400万人で、歯科診療所に受診している患者は約260万人と推定される。
・ HIV 感染者には帯状歯肉紅斑および壊死性潰瘍性歯肉炎という歯肉炎がみられることがある。帯状歯肉紅斑は、通常HIV 非感染者ではあまりみられず、複数歯の歯肉辺縁に沿って1〜2mm幅の帯状の発赤が生じることを特徴とする。これらの歯肉の異常所見からHIV 感染の早期発見につなげることができる。
・ 侵襲性歯周炎: 全身的に健康ではあるが、急速な歯周組織破壊(歯槽骨吸収、付着の喪失)、家族内集積を認めることを特徴とする歯周炎である。また、一般的には細菌性プラークの付着量は少なく、患者は10〜30歳代が多い。日本における侵襲性歯周炎の罹患率は難病センターの平成24年度の報告によると0.05〜0.1%とされている。

# 膿瘍
・ 歯肉膿瘍: 隣接する歯周ポケットからの細菌感染や歯肉に対する外部からの刺激、歯肉への外傷や感染によって、歯肉結合組織に形成された膿瘍である。原因となる部位付近の歯肉に限局性の発赤、腫脹がみられ、疼痛を伴うことが多い。また、歯周ポケットの有無にかかわらず生じる。
・ 歯周膿瘍: 歯周組織内に発生した限局性の化膿性炎症によって、局所の組織破壊に、膿の貯留を呈する状態をいう。深い歯周ポケットの存在、さらに歯周ポケット入口が閉鎖されて限局性の化膿性炎症が深部に存在している場合、咬合性外傷がある場合、糖尿病患者などにおいて感染抵抗性が低い場合などに発症する。
・ 歯周・歯内病変: 歯周、歯内各領域の疾患が、互いの領域に波及したものをいう。辺縁歯周組織と根尖歯周組織は解剖学的に近接しているため、互いの領域に疾患の影響が及びやすい。

# 歯周炎が進行する速度は、比較的緩慢で、数年単位で進行する。しかし、外傷性咬合が加わると破壊は急速に進行する。さらに、生体の防御反応に影響される。たとえば、重度糖尿病による歯周組織の抵抗力の低下(白血球の機能低下や創傷治癒遅延など)および喫煙などの生活習慣も歯周炎の進行に関与する。

# 歯周炎の特徴
・ 歯周ポケット(真性ポケット)が形成される。
・ 外傷性咬合が併発すると急速に進行する。
・ 進行度に部位特異性がある。
・ 休止期と活動期がある。
・ 歯周炎が進行すると悪循環が生じ、さらに急速に進行しやすい。

# 歯周治療に関する特徴
・ 原因除去によって歯周炎は改善あるいは進行停止する。
・ 歯周治療の一環として生涯にわたるサポーティブペリオドンタルセラピー(SPT)およびメインテナンスが不可欠である。
 長期間でみると全身的因子の影響を受けることもあることなどから、歯周炎は再発の危険性が高い。したがって、病状安定となった歯周組織を長期間維持するための歯周治療の一環としてのSPTおよび健康管理としてのメインテナンスが不可欠となる。SPTは、歯科医療従事者によるプラークコントロール、スケーリング・ルートプレーニング、咬合調整などの治療が主体となる。一方、メインテナンスは、患者本人が行うセルフケア(ホームケア)と専門家が行うプロフェッショナルケア(専門的ケア)から成り立っている。
・ 咬合性外傷は、外傷性咬合(過度な咬合力や側方力などの異常な力)によって引き起こされる深部歯周組織、すなわちセメント質、歯根膜ならびに歯槽骨の傷害であり、一次性と二次性に分類される。
(1) 一次性咬合性外傷: 歯に過度な咬合力が加わることによって歯周組織に外傷が生じたものである。
(2) 二次性咬合性外傷: 歯周炎の進行によって支持歯槽骨が減少して咬合負担能力が低下した歯に生じる外傷であり、生理的な咬合力によっても引き起こされる。

# 歯周病に影響を与える因子
(1) 先天的因子
・ 遺伝的リスクファクター
・ 年齢・性別
・ 人種民族差: 人種民族差の因子は日本ではさほど重要ではないが、米国の白人、メキシコ系米国人、アフリカ系米国人では付着の喪失量、プロービング値、歯周炎罹患率を比べると、いずれも白人が最も低い。
(2) 環境および後天的因子
・ 喫煙: 喫煙者は非喫煙者に比べて2〜8倍、歯周病に罹患しやすいことが報告されている。また、喫煙は歯周病の治癒の反応を低下させる。
・ ストレス刺激
・ 糖尿病
・ 肥満
・ 常用薬: 免疫抑制薬、炎症性サイトカイン標的治療薬、骨代謝関連薬、副腎皮質ステロイドなどは、歯周病の病態に影響を与える。例えばフェニトイン(抗てんかん薬・ヒダントイン系薬)、ニフェジピン(降圧薬・Ca 拮抗薬)、シクロスポリン(免疫抑制薬・カルシニューリン阻害薬)などの薬剤の常用により薬物性歯肉増殖症を誘発することがある。
・ HIV感染: 壊死性潰瘍性歯肉炎(歯周炎)様の症状を呈することがあることから注意が必要である。

# 歯周病が影響を与える疾患
・ 血管障害性疾患: 動脈硬化症や虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞)ではサイトカインが血栓の形成に関与する可能性が考えられている。
・ 誤嚥性肺炎
・ 早産・低体重児出産: 中等度以上に進行した歯周炎をもつ母親は、そうでない母親より早期低体重児を出産するリスクが高いことが報告されている。
・ 糖尿病: 歯周炎により生じる炎症のケミカルメディエーターであるTNF-αはインスリンの抵抗性を増大させ、糖尿病を悪化させる可能性が報告されている。
・ 関節リウマチ: 関節リウマチを有する患者ではアタッチメントロスおよび歯の喪失が大きいことが知られている。歯周病と関節リウマチの病因・病態には共通点が多く、炎症性サイトカインやPGE2(プロスタグランジンE2:Prostaglandin E2)などの産生亢進が組織破壊に関与していると考えられている。
・ その他の疾患: 日常的な菌血症、慢性腎臓病、非アルコール性脂肪性肝炎などの発症、進行に影響を与えるという報告がある。

# 有病者への配慮

 有病者は多種類の薬物を服用しているケースが多く、歯周治療開始前に十分に医療面接を行うとともに、医師に病状を照会し、万全の医療連携体制を整えておくことが重要である。高齢者や有病者では、治療が可能な状態でも術前の検査として最低限、安静時の血圧、心拍数、酸素飽和度を測定しておき、治療中もバイタルサインをモニタリングすることが合併症の予防のために必要である。
しかし、全身性疾患の種類や症状によっては、歯科治療が困難となる症例もあるので、そのような場合は早期にその全身性疾患を専門とする高次医療機関と連携をとりリスクファクター等の情報提供や全身性疾患に対する管理を依頼する。
※ 平成28年4月の保険改正で、医管Uが導入され、歯科治療時のモニタリングという考え方が点数化されましたが、算定対象病名が限定されていますのでご注意ください。ただ、点数の有無に拘わらず、必要なものは行うという姿勢が必要と思われます。

・ 糖尿病患者への配慮: 血糖コントロール不良の糖尿病により、宿主の生体防御能が低下している易感染性の歯周炎患者や動脈硬化性疾患により血管内皮機能障害を有する歯周炎患者に対しては、歯周治療の反応性を向上させるとともに、全身および臓器への悪影響を減少させる目的で、抗菌療法の併用が推奨されている。
※ 具体的に、どのような患者に対してどのような薬剤を、どのように投薬すればいいのか?

・ 高齢者への配慮
 高齢者は加齢に伴う免疫機能の低下により歯周病に対する抵抗性が低下するとともに、誤嚥性肺炎を引き起こすことが多くなる。高齢者における歯周治療としてはとくに特別な方法はないが、身体的機能の低下や種々の全身性疾患を有することが多いことから患者の観察と既往歴、現病歴、服用薬剤について十分な情報を得ることが重要である。必要に応じて医師に問い合わせ、患者の全身状態を把握する。

# 歯周治療を適切に行うためには
・ 歯周治療を適切に行うためには、現在の歯周病の症状を的確に検査、診断する必要がある。まず、歯周組織検査などを実施し、歯肉の炎症と組織破壊の程度を把握し、その結果をもとに、必要に応じて医師との連携を取り患者の全身状態なども考慮して治療計画を立案する。次に、患者に十分説明し同意を得た後、治療計画に沿って治療を進めていくことが大切である。歯周治療の標準的な進め方を(図2)に示した。各ステップにおける検査の結果、治療の必要を認めない場合にはその項目をスキップし次に進む。
・ 図2の概要(必要ない治療はスキップ)

※ 以下は日本歯周病学会の歯周治療の指針2015を読んでね。

続く】 

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