薬剤の相互作用
歯科用器材・材料・薬剤 最終更新日 2017/06/21

■ 薬の相互作用は何故起こるか?

・ キシロカイン+エピネフィリンも相互作用(相乗効果)を期待しての組み合わせか。
・ 2種類以上の薬物を併用した場合に、単独で使用するときよりも効果が大きくなる場合を「協力作用」という。この場合、認められる効果がそれぞれの持っている効果の総和に等しい場合を「相加作用」、総和以上の場合を「相乗作用」という。
・ 相加作用は作用機序の似ている薬物同士にみられ、相乗作用は作用機序の異なる薬剤同士にみられる。
・ 2種類以上の薬物を併用した場合、1つの薬物の効果が減弱する場合「拮抗作用」という。拮抗作用は「競合的拮抗」「非競合的拮抗」「機能的拮抗(生理的拮抗)」「化学的拮抗」「生化学的拮抗」に分類される。

※ いやぁ、今頃薬理の勉強してどうなんの(笑)

  ↓ 下記の薬剤を服用している患者には右記の注意
アセトアミノフェン(カロナール錠等) # ジドブシンとの併用でジドブシンの作用を減弱させることがある。
# ジドブシンとの併用でジドブシンの骨髄抑制作用を増強させることがある。また重篤な肝毒性の発現の報告もある。
アドレナリン含有の浸麻(キシロカイン・オーラ) # 抗うつ剤を中心とした精神神経薬の服用患者に使用すると血圧上昇や低下をきたすことがある。
強心剤 ■ 強心剤(ジギタリス)と抗菌剤
# 強心剤(ジギタリス)と抗菌剤の併用により、ジギタリスの血中濃度が上昇し、吐き気や不整脈などの副作用が生じやすい。
# 相互作用がおきやすい抗菌剤
・ マクロライド系: エリスロマイシン、クラリスロマイシン、アジスロマイシン
・ ニューキノロン系: クラビット、タリビット。
・ ケトライド系、テトラサイクリン系、他。
■ 強心剤(ジギタリス)とステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)
# 併用によりジギタリスの血中濃度が上昇する。ボルタレン。その他の薬剤でも注意。
局所麻酔薬 ■ 歯科用局所麻酔薬と循環器系疾患治療薬
・ 口腔粘膜は毛細血管が多く、浸麻液はすぐに血管に移行しやすいため、浸麻剤の多くは血管収縮剤を含む。
・ β遮断薬の降圧剤を服用している患者にアドレナリンを投与すると血圧の急上昇を招く。インデラル、ミケラン、カルビスケンなど。こういった患者に浸麻をする場合オーラなどはカートリッジ1本(1.8ml)にとどめる。
・ 不整脈治療薬服用患者にアドレナリンを投与すると、新たな不整脈がおきやすい。不整脈患者にはアドレナリンを含有していないスキャンドネストなどを使用する。
・ 脳血管障害患者は、アドレナリン含有の浸麻は2本まで。
■ 塩酸リドカイン(オーラ)・塩酸メピバカイン(スキャンドネスト)
【禁忌】本剤またはアニリド系浸麻剤に過敏症の既往歴のある患者。
【原則禁忌】高血圧、動脈硬化、心不全、甲状腺機能亢進症、糖尿病。
【慎重投与】高齢者や全身状態が不良の患者。重症の肝臓、腎臓病患者。
■ 塩酸プロピトカイン(シタネスト)
【禁忌】メトグロビン血症患者
【原則禁忌】なし
【慎重投与】高齢者や全身状態が不良の患者。重症の肝臓、腎臓病患者。
■ 浸麻剤の比較
# 血中半減期: リドカイン、メピバカイン、プロピトカイン共に90分程度。
# 麻酔効力(プロカインを1として): リドカイン(2)、メピバカイン(2)、プロピトカイン(1.5)
■ アドレナリンとの相互作用で注意すべき物
# β遮断薬と三還系抗うつ剤には要注意
・ その他、多くの薬剤で相互作用が起こりえるので、添付文書を熟読のこと。
 局所麻酔薬の浸麻後の最高血中濃度は3〜5分後。
降圧剤 # 非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDs)との併用で降圧作用減弱。
抗うつ剤を中心とした精神神経薬の服用患者 アドレナリン含有の浸麻を使用すると血圧上昇や低下をきたすことがある。【抗うつ薬服用患者の歯科治療
抗真菌剤 ■ 抗真菌薬
・ 真菌感染症には浅在性と深在性があり。深在性は転帰がよくない。浅在性の多くは皮膚に見られ、また口腔内にも見られる。口腔内の真菌症のほとんどはカンジダ感染症。
・ 長期の舌痛の原因が口腔カンジダのこともある。カンジダ由来の舌通症は、痛みのある場所に白苔下部の発赤がみられる。
・ 誘眠剤や抗うつ剤の長期服用が原因で口腔乾燥が生じ、口腔カンジダ症が生じることがある。
・ こういった表在性(浅在性)のカンジダ症に対しては、内服では無く外用薬の抗真菌剤(フロリードゲルなど)で事足りる場合がある。
・ なお、イトラコナゾールなどの真菌剤と相互作用がある薬剤も多いので処方の際には注意が必要である。例)統合失調症薬、偏頭痛薬、睡眠導入剤、その他多数。
抗てんかん薬 # 詳細
   
抗不整脈剤 ■ マクロライド系抗菌剤(クラリスロマイシン)と抗不整脈剤(ジソピラミド)
・ ジソピラミド: ニューキノロン系抗菌剤(スパルフロキサシン、モキシフロキサシン塩酸塩)との併用禁忌。QT延長、心室性不整脈をおこすことがある。また、治療中の糖尿病患者においては、低血糖をおこすことがある。
腎臓疾患 ■ 非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)によるネフローゼ症候群
・ 歯科で腎障害を起こすのはNSAIDsだけでなく、抗菌剤(セフェム系、ペニシリン系)などもそうである。
セフェム系抗生物質(N-メチルテトラゾールチオメチル基を有するもの) # ワルファリンとの併用で、ワルファリンの抗凝血作用を増強し、低プロトロンビン血症、出血等が生じることがある。
# 低プロトロンビン血症、出血等に対してはビタミンK剤の投与が有効。
# アルコールとの併用で、ジスルフィラム様作用が発現し、頭痛、めまい、嘔気等があらわれることがある。
# 歯科で常用される薬剤には該当するものがないようだが、、、。
喘息の患者 多くの鎮痛剤(ロキソニン、ボルタレンなど)で発作が誘発する。カロナールは従来安全と言われていたが現在は禁忌。なお、パラベンなどの防腐剤も誘因となるので浸麻の使用の際も注意
痛風薬 ■ 痛風・高尿酸血症治療薬(プロベネシド)と非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)
・ プロベネシドはNSAIDsの半減期を延長し、作用を増強する。

# 詳細
鉄製剤 # 詳細
糖尿病薬 # 糖尿病薬との併用で低血糖を起こす可能性があるもの。
・ ロルノキシカム(ロルカム)、ナプロキセン(ナイキサン)、プラノプロフェン(ニフラン)、塩酸ミノサイクリン(ミノマイシン)、ニューキノロン系抗菌剤、ミコナゾール(フロリード)
# 非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs): インスリン製剤との併用で、それらの作用を増強させる場合がある。
ニューキノロン系抗菌薬(タリビット、クラビット等) # ロキソニン、ボルタレン(NSAIDs)の併用禁止。重篤なけいれんが生じる可能性がある。「アセトアミノフェン」は厳密にはNSAIDsでは無い。
# ニューキノロン系抗菌薬と非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)
・ ニューキノロン系抗菌薬と非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs) の併用により、ニューキノロン系抗菌薬の副作用である「けいれん」がおこりやすくなる。
・ 「カロナール」は、厳密にはNSAIDsには分類されない。
# ニューキノロン系抗菌薬と制酸薬・消化性潰瘍薬
・ Al(アルミニウム)やMg(マグネシウム)を含む抗潰瘍薬はニューキノロン系抗菌薬の吸収を阻害する。従って血中濃度が上がらずに抗菌作用の効果が低下するおそれがある。
・ その場合には、キレート結合の起こりにくい「スパルフロキサシン」や「フレロキサシン」などを使用する。
・ またCaを含む食品でも、同様のことがおこる。
バイアスピリン # 非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDs)との併用で抗血小板作用減弱
非ステロイド系抗炎症薬(ロキソニンなど) # 抗凝固薬ワルファリン等): 抗凝固作用の増強
# 抗血小板薬(バイアスピリン等): 抗血小板作用減弱
# 副腎皮質ホルモン(プレドニン): 消化性潰瘍増加
# 利尿薬(ラシックス): 利尿作用減弱
# 降圧剤(レニベース): 降圧作用減弱
# ニューキノロン系抗菌薬: 痙攣
副腎皮質ホルモン(プレドニン) # 非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDs)との併用で、消化性潰瘍増加。
   
マクロライド系抗菌剤 # 詳細
利尿薬 # 非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDs)との併用で利尿作用減弱。
リウマチ薬 # 抗リウマチ薬のリウマトレックス(一般名:メトトレキサート)と鎮痛薬(NSAIDs)や抗菌薬との相互作用で、作用が増強される場合がある。
ワルファリン # PT-INRはワルファリンの効果の指標で、70才未満では2〜3、70才以上では1.6〜2.6程度が治療域。
# 非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDs)との併用で抗凝固作用の増強。
# 161018: 「ワルファリン」と「ミコナゾール(フロリードゲル経口用)」の併用禁止。血液凝固因子に変動があり出血の可能性。
■ 抗凝血薬(ワルファリン)と抗菌薬
# ワルファリンは肝臓に作用してプロトロンビンの生成を阻害し、凝血因子の生成を抑制し、凝血時間を延長する。つまり、出血時に血が止まりにくい。
# ワルファリンの作用を増強する(血が止まりにくい)抗菌薬
・ ペニシリン系: ビクシリン、タランピシリン。
・ セフェム系: 歯科適応無し?
・ マクロライド系: エリスロマイシン、クラリスロマイシン、アジスロマイシン。
・ テトラサイクリン系: テトラサイクリン、ミノサイクリン。
・ ニューキノロン系、クロラムフェニコール系。
■ 抗凝血薬(ワルファリン)と非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)
・ ワルファリンの抗凝固作用は服用後12〜24時間後に発現し、48〜72時間持続する。
・ 抗凝血薬(ワルファリン)服用患者に非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)を投与する場合には「慎重投与」。
・ 併用により、抗凝血作用の増強。

※ PT-INR: プロトロンビン時間(ワルファリン投与により、凝固因子が阻害され、プロトロンビン時間が延長する)

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