アナフィラキシーガイドライン
Top 最終更新日 2017/08/21

■ アナフィラキシーガイドライン【日本アレルギー学会】より

# アナフィラキシーとは、「アレルゲンなどの侵入により、複数臓器に全身性にアレルギー反応が惹起され、生命に危機を与え得る過敏反応をいう」。「アナフィラキシーに血圧低下や意識障害を伴う場合」を、アナフィラキシーショックという。

# 診断基準

 以下の三項目のうちいずれかに該当する場合。

 “乕羮評(全身の発疹、掻痒または紅潮)、または粘膜症状(口唇、舌、口蓋垂の腫脹など)のいずれかが存在し、急速に(数分〜数時間以内)発現する症状でかつ、下記a.bのいずれかを伴う。
a 呼吸症状(呼吸困難、気道狭窄、喘鳴、低酸素血症)
b 循環器症状(血圧低下、意識障害)

◆^貳姪にアレルゲンとなりうるものへの曝露の後、急速に(数分〜数時間以内)に発現する以下の症状のうち、2つを伴う。
a  皮膚粘膜症状(全身の発疹、掻痒、紅潮、浮腫)
b 呼吸器症状(呼吸困難、気道狭窄、喘鳴、低酸素血症)
c  循環器症状(血圧低下、意識障害)
d  持続する消化器症状(腹部疝痛、嘔吐)

 当該患者における、アレルゲンへの曝露後の急速な(数分〜数時間以内)の血圧低下。
収縮期血圧低下の低下: 平常時血圧の70%未満または下記
11才以上 90mmHg未満。

# 類似疾患と鑑別

# 頻度
・ 日本において、アナフィラキシーの既往を有する児童生徒の割合は小学生0.6%、中学生0.4%、高校生0.3%。
・ 平成25年8月現在のエピペンの保有率は小学生0.4%、中学生0.2%、高校生0.1%。
・ アナフィラキシーショックによる死亡者数 2001〜2013年 総数768 内医薬品323 蜂266

# 原因

・ 医薬品においてはβラクタム系抗菌薬、ニューキノロン系抗菌薬、NSAIDsなど、その他天然ゴムラテックスなど。

 々涯殘
・ βラクタム系抗菌薬(ペニシリン系、セフェム系、カルバペネム系)などが最多で、ニューキノロン系の報告もある。
・ 投与前の問診が重要で、抗菌薬によるアナフィラキシーの発生を確実に予見できる方法はない。

◆_鯒性鎮痛薬(NSAIDs等)
・ アスピリンなどのNSAIDsの1剤でおきる場合と、複数薬剤のいずれでもおきる場合がある。

 局所麻酔薬
・ 自覚症状を訴える患者は多いが、アレルギー機序はまれで心因要因または添加された保存剤や血管収縮剤が原因のことが多い。

# 鑑別のポイント

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・ 共通症状: 喘鳴、咳嗽、息切れ。
・ 鑑別ポイント: 喘息では掻痒感、蕁麻疹、血管浮腫、腹痛、血圧低下は生じない。

◆”坩柁作・パニック発作
・ 共通症状: 切迫した破滅感、息切れ、皮膚紅潮、頻脈、消化器症状。
・ 鑑別ポイント: 不安発作・パニック発作では蕁麻疹、血管浮腫、喘鳴、血圧低下は生じない。

 失神
・ 共通症状: 血圧低下。
・ 鑑別ポイント: 純粋な失神による症状が臥位をとると軽減され、通常は蒼白と発汗を伴い、蕁麻疹、皮膚紅潮、呼吸器症状、消化器症状はない。

# アナフィラキシーの危険因子・憎悪因子

・ 年齢要因、合併症(喘息などの呼吸器疾患・心血管疾患)、アレルギー性鼻炎、精神疾患(うつ病など)
・ βアドレナリン遮断薬、ACE阻害薬。
・ アルコール、鎮静剤、睡眠剤、抗うつ剤。
・ 運動、急性感染症、精神的ストレス、月経前状態。

# アナフィラキシーの重度分類

・ グレード1(軽症)
・ グレード2(中等症)
・ グレード3(重症)

# 治療

 .丱ぅ織襯汽ぅ鵑粒稜АА―朶帖気道、呼吸、意識状態、皮膚、体重を評価する。

◆―けを呼ぶ: 可能なら蘇生チーム(院内)又は救急隊(地域)。

 アドレナリンの筋肉注射(エピペン): 0.01mg/kg(最大量:成人0.5mg、小児0.3mg)、必要に応じて5〜15分毎に再投与する。

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・ 仰向けにして30cm程度足を高くする。
・ 呼吸が苦しいときは少し上体を起こす。
・ 嘔吐しているときは、顔を横向きにする。
・ 突然立ち上がったり座ったりした場合、数秒で急変することがある。

ァ〇請播衢拭А”要な場合、フェイスマスクか経鼻エアウェイで高流量(6〜8L/分)の酸素投与を行う。

Α\徒ルートの確保: 必要に応じて0.9%(等張・生理)食塩水を5〜10分の間に、成人なら5〜10ml/kg、小児なら10ml/kg投与する。

А/看拜廟検Аゞ刺圧迫法。

─.丱ぅ織訛定: 頻回かつ定期的に患者の血圧、脈拍、呼吸状態、酸素化を評価する。

# ラテックスアレルギー

・ ラテックスに含まれるタンパク質に対するIgE抗体を保有する者に生じる即時型反応で、通常は接触後数分以内に始まる。

・ ラテックスアレルギーの30〜50%は、クリやバナナ、アボガド、キウイフルーツなどの食品などを摂取した際に、アナフィラキシー、喘息、蕁麻疹、口腔アレルギー症候群などの即時型アレルギー反応をおこすことがある。この現象は特に「ラテックスフルーツ症候群」と呼ばれ、果物や野菜に含まれるアレルゲンとラテックスとの交差反応性に起因する。

# アナフィラキシー症状に対するエピペン使用の転帰

・ アナフィラキシー症状の転帰: 回復(69.8%)、軽快(25.1%)、不明(0.1%)
・ エピペンの有効性評価: 改善(82.2%)、不変(4.7%)、判定不能(12.6%)、その他(0.0%)
・ 有害事象発現状況: 有(3.7%)、無(91.1%)、不明(5.1%)
※ 有害事例とは「アドレナリン自体の作用によるもの」「針による外傷」計14例(463例中)で、全症例回復。

# 学校におけるエピペンの使用者
平成20年4月1日〜平成25年8月31日
・ 小学校(252)、中学校(71)、高校(36)
※ 小学校の252例中50例は自分でエピペン注射をしているんだねぇ。中学校では37例と半分以上、高校では24例と2/3だ。

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